インバウンド向けショッピング支援アプリ「Payke(ペイク)」、10億円を調達——店頭向け商品説明端末、帰国後リピート購入越境ECにも注力

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Payke
Image credit: Payke

海外からの訪日客などを対象に、商品バーコードをスキャンするだけで商品説明を多言語で表示するモバイルアプリ「Payke(ペイク)」を展開する Payke は12日、直近のラウンドで10億円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは Eight Roads Ventures Japan が務め、SBI インベストメント、沖縄振興開発金融公庫、SMBC ベンチャーキャピタル、インテージホールディングスが SBI インベストメントと共同運用する INTAGE Open Innovation Fund が参加した。

Payke にとっては2017年6月の調達に続く3回目のラウンドとなる。3回のラウンドを通じての累計調達額は12.2億円となる。

Payke は2014年11月に沖縄・那覇市で設立。商品バーコードをスマートフォンでスキャンするだけで、商品情報を7ヶ国語(英語・中国繁体字・中国語簡体字・韓国語・日本語・タイ語・ベトナム語)表示する、インバウンド(訪日外国人)向けアプリ「Payke」( iOS と Android に対応)を2015年11月から展開している。95%以上が訪日客を中心とした外国人ユーザで、アプリのダウンロード数は約70万件(2018年8月現在)、他社サービスへの API による情報提供を含めると 132ヵ国の約340万人に利用されている(2018年9月現在)。

現在のところ、Payke のマネタイゼーションは主に B2B によるものだ。Payke ユーザが商品情報を照会した際に表示される内容について、Payke と契約している企業(主に化粧品や製薬メーカーが多いとのこと)は自社製品の紹介内容を多言語でカスタマイズできるほか、どの商品情報がどの地点で照会されたかをアナリティクス画面で確認することも可能。これまでに、日本企業約1,200社が利用しているという。

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シンガポールのドン・キホーテ 100AM 店に導入された「Payke Tablet」
Image credit: Payke

Payke は今回調達した資金を使って、主に2つの事業に注力するもようだ。

一つは、シンガポールのドン・キホーテなどに導入されている店頭設置型の「Payke Tablet」の拡大販売。店舗は1台あたり3,800円/月で、7ヶ国語の商品説明が可能なタブレットを店頭に設置することができる。来店客は Payke Tablet にバーコードをかざすだけで、自分に都合のよい言葉で商品説明を閲覧することができる。顧客満足度が向上する上、店舗にとっては多言語対応できる店員の省力化につながる。Payke ではこれまでに Payke Tablet を初期ロットで1,000台生産したが既に在庫が無いため、次期ロットを生産しドラッグストアやスーパーなど小売業各社に導入を図る。

もう一つは、訪日客の帰国後のリピーター購入の機能追加だ。Payke 上にはどの商品を情報照会したかの記録が残るため、その情報をもとにユーザを 越境 EC に誘導する。Payke では現在、東南アジアの一部地域のユーザに絞ってリピート購入の動線をテストしているようだ。サービスが本格化する際には詳報をお伝えしたい。

Payke では、ユーザが商品情報を照会した際の位置情報を取得できるため、特定地域に絞ってプッシュ通知による情報配信も可能だ。先週、北海道で起きた胆振東部地震では、災害影響地域のユーザに向け避難や救援に関する情報を7ヶ国語で無償提供している

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