WHILLが仕掛ける「歩道版Uber」、50億円を調達して新たなMaaSビジネスを開始へ

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2018.9.18

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パーソナルモビリティを開発・販売するWHILLは9月18日、約50億円の資金調達を完了したことを公表した。第三者割当増資によるもので、引受先はSBIインベストメント、大和証券グループ、ウィズ・パートナーズ、Mistletoe、Endeavor Catalyst、日本材料技研グループ、エスネットワークス、三井住友海上キャピタル、産業革新機構、Eight Roads Ventures、日本ベンチャーキャピタル、DGインキュベーション、みずほキャピタルの合計13社。

同社のこれまでの累計調達額は80億円。今回のラウンドにおける出資比率などの詳細は開示されていない。調達した資金は今年1月に発売を開始した「Model Ci」の米国、カナダでの販売拡大および英国、イタリアをはじめとする欧州への進出に使われる。

WHILLは高齢者や障害を持った移動に問題を抱える人たちを支えるモビリティ製品。2014年に初号機となる「Model A」を米国中心に販売開始し、昨年4月に2号機となる「Model Ci」を販売開始している。

また、同社ではMaaS(Mobility as a SaaS)プラットフォーム事業を立ち上げる構想を持っており、こちらの体制強化も進める。個人販売中心だったWHILLを「移動サービス」として捉え、スポーツ施設や空港など、移動に問題がある利用者を抱える事業者に対して提供を進める。

本誌では同社代表取締役の杉江理氏に取材し、開発を進める新たな新事業についてその詳細を聞いた。(太字の質問は全て筆者、回答は杉江氏)

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まず、現在販売されている新モデルについて。初号機との違いは?

軽さですね。三分割して車に積めるようになってます。米国では車移動が多いので、こういったニーズに合わせました。一方でパワーは初号機より弱いです。また価格についても初号機が100万円近くしたのに対して45万円と半額にしました。

購入について国によっては補助が出る場合があると思うが

米国ではありませんね。日本では障害者向けの保険で程度によっては全額負担という場合もあります。また、高齢者にも適用される補助があり、こちらは1割を月額のレンタル費用から割り引くような形になります。

これまで販売実績は

公表している情報としては、初号機が1000台以上の販売です。2号機については1万台を目指す、としています。

ユーザーのフィードバックは

(歩行が困難だった方が)犬の散歩に行けるようになった、という身近なものが届いています。2号機については車に積めるので、いざという時に使えるようになったというフィードバックもいただいてます。

新サービスについて聞きたい。MaaSはモビリティプラットフォームを志向する事業者がこぞって口にしている「IDビジネス(会員課金)」「データ販売」などがあるが、WHILLの戦略は

歩道のパブリックトランスポーテーションになる、という表現を使っています。いわゆる歩道版Uberですね。ファーストステップとして空港や遊園地などでサービス提供を開始します。

具体的には

空港のような公共施設で移動に困難を持った方は、これまでスタッフが何らかのサポートをしていました。高齢者の移動などですね。しかし米国ではそういったオペレーションコストが負担になりつつあります。

なるほど、WHILLをそこに配置してシェアで使ってもらう、と。リリースでは自由に使ってもらった上で回収には自動運転技術などを使って、とあるが、こういった技術は自前で開発しているのか

具体的な名称等についてはノーコメントですが、自動運転や追従走行機能などはパートナー企業とも協力しながら研究開発を進めていく予定です。

こういった自動運転モビリティを開発している企業も多そうだが

確かに荷物を運ぶぐらいであればあるかもしれませんが、人間を運べるモビリティを開発し、さらにソフトウェアの研究も並行して進めているという企業は私たちだけだと考えています。

サイクルや最近ではBirdなどシェアリングモビリティのサービスは広がっているが、一般道に広げる可能性は

現時点では考えていません。

ビジネスについてはどのように考えている

モビリティだけではなく、施設側が管理できるフリート・マネジメントサービスとのセット販売になります。また、メンテナンス等のオプションも提供する予定です。いわゆる月額課金ですね。

一般ユーザーへのビジネス拡大は

遊園地みたいなアミューズメントパークであれば可能性はあるかもしれません。

ありがとうございました。

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