ロシアのインターネット大手 Yandex(Яндекс)は、生まれたばかりの科学特区「 Innopolis (Иннополис)」で自律走行による配車サービスを新たに開始すると発表した。
ヨーロッパの自動車メーカーは現在、自律走行車プログラムを推進しているが、同大陸で一般向けにこの種のサービスがローンチされるのは初めてのことだ。
ハイテク業界の支援に特化している Innopolis は2012年にテクノパークとして設立された。ここが正式な町となったのは2015年の正式オープン前のことで、現在は複数の段階に及ぶ開発計画がある。面積は120ヘクタール、中核となる機関は大学だ。

ロシアの Google とも揶揄される Yandex はオンデマンドの配車サービスに積極的に取り組んでいるが、最近では東ヨーロッパにおける Uber のサービスと合併して40億米ドル規模の企業を立ち上げた。Yandex.taxi も昨年、自動運転車プロジェクトの実施を発表した。介在期間中、同社は公道で自動車走行実験を行っている。
しかしながら、一般向けの自律走行配車サービスという同社の取り組みで利用されるのはわずか2台の自動運転車となる予定で、少し控えめなものだ。ただ、サービスの提供は無料で、世界での他の取り組みと同じく安全のために常時、運転手が車内に乗り込むことになる。

自律走行のタクシーサービスは、すでに世界中の多くの市場で実験されている。アメリカを本拠とする自律走行車スタートアップの NuTonomy は2016年、シンガポールで自動運転車サービスをローンチしたほか、Uber と Google の関連企業 Waymo も複数の市場で同様の実験を継続している。アジアでは東京で自動運転タクシーの試運転が今週(8月第5週)始まった。2020年のオリンピックを見据えたサービスとして展開されるものだ。
他にも、Waymo がヨーロッパで自律走行タクシーサービスの導入を進めているというニュースが数ヶ月前に流れた。
Innopolis の人口はわずか数千人にすぎないが、ハイテク拠点のハブとしての地位は自律走行タクシーサービスの主要な実験場となっている。この無人タクシーの試運転には約100人が応募した。参加者は大学やスタジアム、マンションなど事前に設定された行き先から目的地を選択することになる。
実験の次の段階はサービスの拡張で、実験で得られたフィードバックを将来のサービス拡大に向けて活用する予定。
同社はブログへの投稿で以下のようにコメントした。
Yandex の自動運転チームでは、さらに多くの行き先を含めるほか、車両の追加、同乗ドライバーなしでの運転、さらにはユーザからのフィードバックに基づくサービス改善に向け自律走行の配車サービスを拡大していく計画です。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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