IoT/ブロックチェーンスタートアップのBlue Ocean、ゴミ箱に食べ残しを捨てるたびポイントがもらえるサービスを開始

by e27 e27 on 2018.10.20

Bllue_Ocean_founders
Blue Ocean 設立チーム

カフェに入ってコーヒーとサンドイッチを注文。店を出るときにはトレイに乗った食べ残しやカップと蓋、食べ物の包装、食器類をそのまま店の隅にあるスマートプレサイクルボックスに投入。

数秒後には、(トークンと交換したり商品の購入に使える)ポイントを獲得したことを通知するメッセージが携帯電話に届く。

なかなか良さそうなサービスである。

あるスタートアップがこれを現実のものにした。ニュージーランド、ブラジル、イギリスから来た3人の起業家が台湾で設立した Blue Ocean は、世界レベルでゴミを再生可能にするための革新的なプラットフォームを開発した。

共同設立者の Brian Direen 氏はこう語った。

Blue Ocean は世界レベルでゴミを再生可能にするためのプラットフォームビジネスです。これを達成するために、私たちは大胆なビジネスモデルを導入しています。それは、原材料メーカー、製造業者、革新者、投資家、小売業者、顧客、物流業者、再生可能グループといった、包装を担うバリューチェーンを巻き込み、ゴミをなくすという共通のゴールに向かって一丸となれるようなインセンティブシステムを採用することです。

同社は Direen 氏(CEO)、Alex Dodkin 氏(CTO)、そして Fernando Fernandes 氏(CMO)によって2017年10月に設立された。3人は過去数年にわたっていくつかの国際的なプロジェクトに一緒に取り組み、 デザインやブランディング、マーケティング、デジタルインフラ、アプリ開発、データベース管理、パートナーシップの開拓など、広範囲で相互に補完できるようなスキルを発揮してきた。

Blue Ocean は ID 認証システムや複数のアルゴリズム、IoT、スマートセンサー、ブロックチェーンを活用して今回の革新的なシステムを開発した。ネットワークに接続された同社のプレサイクルスマートダストボックスには、様々な自動 ID 認証や位置情報センサー、重量センサーや容量センサーなどが搭載されている。このダストボックスは、エコシステム内の参加者がダストボックスで、いつどこで誰が何をどうしたかを検知する。ダストボックスを置いた企業はこれらの機能を利用してほぼリアルタイムでキャッシュバックやポイントの付与を行い、リサイクルしやすい形になったゴミを効率的に回収できるようになる。このテクノロジーを使えば、包装の再生も可能になり、サプライチェーンを把握できるようになるだけでなく、社会にも影響を与えることができるようになる。

Direen 氏は以下のように説明する。

過去に Blue Ocean を使ったことがあれば、ダストボックスがユーザを自動的に認識してすぐにポイントが付与されます。ポイントはトークンに交換したり、商品の購入に使うことができます。Blue Ocean を使ったことがないユーザは、URL を携帯電話で開くと一意の ID が表示されます。私たちのトークンエコシステムのすばらしい点は、企業や国、特定の行動にすら縛られないことです。あらゆる循環行動や市場、顧客に対応し、キャッシュバック率も自由に設定することができます。

Blue Ocean のトークン型エコシステムは、企業、顧客、コミュニティといったバリューチェーンに参加しているすべての人を巻き込むものになっている。まずは飲食業をターゲットにしている。コーヒーチェーンやレストランは、内側がプラスチック処理されているカップや、リサイクルが難しい食品の包装に大きな問題を抱えている(毎年約6,000億個の使い捨てカップがそのまま廃棄され、リサイクルに回るのはたったの1%である)。

ゴミを再生可能に

Blue Ocean の再生可能システムは食品包装と食品廃棄物の永続的な再利用を可能にするために、4つのステップを基礎としている。

  1. 分別のいらないプレサイクルダストボックス:スマートダストボックスに、堆肥に変わる植物由来の包装や紙、食べ残しやコーヒーの飲み残しを入れると、ボックスがいっぱいになった時点で回収業者に自動的に通知が送られる。
  2. 回収サービス:契約している物流業者がカスタマイズされたアルゴリズムを使って、回収物を堆肥施設に運ぶ。
  3. 堆肥設備:例えば、都市部や従来型の農業中心型施設など、ゴミの供給源の近くに設置された容器内堆肥化機械を使っても良い。この機械は稼動中も臭いが発生せず、10~12日でゴミを有機堆肥に変える。
  4. 農家:買い取った堆肥を使って、新たな食料になる農作物の肥料にする。この農作物を小売業者に販売することで循環ループが完結する。

家庭から出るゴミについては、おむつやトイレットペーパー、ダンボールなど、あらゆるゴミに対応できるようにします。ダストボックスを1つ置くだけで、あとはゴミの分別も洗浄もいらないというのが、私たちが目標とする使い勝手の良さです。もちろん、再利用可能なコーヒーカップをお店に持っていったり、分別用のダストボックスにプラスチックボトルや缶を捨てるといった行動にもインセンティブを与えられるようになっています。(Direen 氏)

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スマートダストボックス

同社は現在、台湾の台南市に拠点を置いているが、香港やニュージーランド、インドの従業員とも連携してバーチャルチームとして活動している。最初のテストプロジェクトは今年中に台湾で始まる予定である。来年初頭にはインドとニュージーランドでもプロジェクトが開始されることになっている。

今後2年で同社は次の20ヶ国でビジネスを行う予定である:中国、韓国、日本、インドネシア、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インド、シンガポール、タイ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカ、ブラジル、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、サウジアラビア。

同社は複数のビジネスモデルを採用していると Direen 氏は言う。

私たちはトークンを重要な役割を担う参加者に配布することで、エコシステムに参加したいというやる気を起こしてもらいたいと考えています。これには各国のパートナー(小売パートナーのネットワーク構築を担う)、包装/食品を再生可能にする業者、業界の革新者(スマートセンサーや堆肥に変わる製品を製造するための新しい技術を開発する企業など)が含まれます。

トークンの価値は参加者たちによって決まる。ネットワークの規模拡大に合わせてトークンの価値も上がっていき、小売業者からはキャッシュバックを受け取ることができる。例えば、あるコーヒーチェーンが、プレサイクルダストボックスにカップが入るたびに、キャッシュバックとして1カップあたり5セント支払うことに同意したとする。この5セントのうち、4セントをコーヒーの購入者(ユーザ)が受け取り、残り0.5セントずつがリサイクル業者(これによって堆肥施設への平均回収量は簡単に2倍になるはずである)と各国のパートナーに配布される。

私たちは小売のパートナーたちとも連携して、トークン形式で配布されるキャッシュバック率をあらかじめ設定する予定です。キャッシュバック率はドル単位や「購入金額の何パーセント」という形にすることもできます。例えば、1カップあたり0.5米セントや、飲食代金の1%というような形です。キャッシュバック率が決まったらブロックチェーンを使ってユーザにキャッシュバックして、循環行動を促進してネットワークを拡大していきます。みんながネットワークにより大きな価値をもたらすことで、トークンの価値も上がっていくわけです。(Direen 氏)

巨大なチャンスが眠っていると Direen 氏は言う。しかし、同社はいくつかの大きな問題に直面している。

資金面での強力な支援者を見つけるのはいつでも困難です。他にも、私たちが起こそうとしている変化に参加したいという情熱を持ち、優秀でやる気があり、一緒に働きたいと思える人を見つけるのも大変なことです。こうした問題を解決するのに一番簡単な方法があります。それは、私たちが良い市場を狙っていて、その市場を満足させる製品を持っているのを示すことです。この目標を達成するべく、私たちは最初のテストプロジェクトの準備を進めています。

Blue Ocean はこれまで自分たちの資金で運営してきたが、外部から資金を調達する動きも出てきている。会社のさらなる成長に必要な資金を調達するために、同社はニュージーランドの投資ネットワークでキャンペーンを立ち上げた。

Direen 氏によると、オーストラリアにもカップを再生可能にする類似のシステムがあるという。SimplyCups という企業は、小売業者からカップ1個あたり1セントを請求し、それを回収と堆肥を作るためのコストに充てている。しかし、利用者にインセンティブを提供するようなシステムは採用していない。

彼はこのように話す。

インドでも、Citizengage など、飲食業者から食品廃棄物を引き取っているスタートアップがいくつかあります。しかし、こうしたスタートアップにはインセンティブシステムがなく、堆肥化が可能な使い捨てカップやストロー、食品包装、牛乳びん、買い物袋などの供給を調整できるだけの余裕もないのです。

【via e27】 @E27co

【原文】

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