ヒートマップサイト診断「USERDIVE」が三井物産などから6億円調達ーー採用企業拡大、データドリブンなウェブ改善市場に手応え

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Image Credit : UNCOVER TRUTH/USERDIVEヒートマップ例

ニュースサマリ:ウェブサイトの解析ツール「USERDIVE」を提供するUNCOVER TRUTHは10月9日、第三者割当による増資実施を公表した。引受先になったのは既存株主からDraper Nexus Venturesとみずほキャピタルの2社、新規に三井物産、三井住友海上キャピタル、イノベーション・エンジン、楽天ベンチャーズ、エボラブルアジア、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルの7社を加えた合計9社。

調達した資金は合計で約6億円。出資比率や払込日などの詳細は非公開。同社の累計調達額は10億円になった。プロダクトのアップデートや経営基盤の強化、人材などに使われる。

話題のポイント:ちょうど2年ほど前(2016年9月)に4億円調達で取材したUNCOVER TRUTHが大型の調達を公表しました。

USERDIVEはヒートマップが特徴のサイト解析ツールで、例えばユーザーがどこの場所で離脱したかといったPDCAに必要なデータを視覚的に提供してくれます。前回取材時から実績も積み上がっているようで、今回引受先に入っている楽天をはじめ、富士フィルムや三井住友カードなど大手中心に400社が導入しているそうです。

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ヒートマップも強化されており、サイトグリッド毎のヒートマップを時間単位で取得できるようになっています。これによってユーザー行動が「5秒で終わったのか、30秒継続して離脱したのか」(リリースより)といったより細かい状況把握が可能になっています。また、ヒートマップが苦手だったページ遷移のないメニュー内行動やアコーディオンなどの動きもトラッキングできるようになっているそうです。

こういったツールの強化と共に気になるのが人的なコンサルティングのサポートです。マーケティングオートメーション系のツールは通常、コンサルタントの伴走サポートが付いているのですが、この比率が大きいと、SaaSとして拡大する際に人的な増強が避けられず、スケールメリットがやや薄れます。

注目は前回取材時に話があった人工知能による自動化になります。UNCOVER TRUTH代表取締役の石川敬三氏は以前、コンサルタントがサイトの導線分析にかかる時間の短縮がビジネスのポイントになると語っていました。

そこで彼らが考えたのが課題発見の箇所の効率化だ。石川氏によると通常、1サイト1導線の分析にアナリストが費やす時間は20時間から50時間なのだそうだ。これをもし数秒に短縮することができれば相当な効率化に繋がる。(前回取材時記事より)

石川氏に改めてこの箇所ついて聞いてみたところ「人工知能で夢のようなシステムができた」というよりは、着実に人力とのハイブリッド連携が図れるツールに進歩しているという様子でした。

自動化に向けてまずは、全てのデータ取得ができるように展開いたしました。そのデータと、これまでに蓄積している分析改善結果から、自動的に改善すべきページの提示と改善方法を提案していきます。

一方で市場状況については好調のようで「データドリブンなウェブサイト改善をする市場(UXO=User Experience Optimizationの市場)ができてきた」という実感があり、その結果が今回の採用企業の積み上げにつながったというお話でした。

 

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