懇意にしているVCを頼って、他のVCを紹介してもらうメリットとは【ゲスト寄稿】

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本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。Mark Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。(過去の寄稿

The guest post is first appeared on Mark Bivens’ Blog. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture capitalist.


Portrait of man, godfather-like character.
Image credit: Marcin Roszkowski / 123RF

事業に資金を調達しようとしている起業家にとって、ある VC の投資先や他の VC から紹介を受けることに比べれば、相手からもたらされた調達の勧誘に乗ったり、仲介者を通じて調達したりすることは効果的でないことが多い。

私の投資先のメンバーが会うことを勧める人物がいたら、ためらわずにその人とのミーティングを受け入れる可能性が高いと思う。私の投資先は、自分たちの活動する市場について私よりも詳しいし、彼らが仲間の起業家のスタートアップ提案を魅力的だと考えたなら、それは私にとって最適なディールフローを生み出す非常に貴重な洞察となる。

同様に、仲間である VC からの紹介は、ディールフローの最優先案件に飛び込むことになる。仲間の VC は私の投資の関心領域を知っているし、その VC と私の互いの尊重を考えれば、自分が可能性を確信しないプロジェクトを紹介してくることはないだろう。

それは時として、他の VC と投資機会を共有することへとつながる。これは3つのカテゴリに分解できる。1) 共同投資(コ・インベスト)したいと思える新しい投資機会、2) 自分の投資先の新たな資金調達、3) 私は投資できないが、投資判断が他者への参考になる機会。

1つめのカテゴリは、新しい案件に共同投資することを通じて仲間の VC の利益は私のそれと一致するので、話は非常にわかりやすく、比較的このカテゴリに当てはまるケースは多い。2つめのカテゴリは、新ラウンドの条件が私が参加した元々の投資条件とは異なることが多く、少し私の条件とはズレがあるケース。それでも、この種の紹介には大きな意味がある。私は他の VC の投資スタイルや投資能力を知っているし、他 VC が資金調達以外にも、私の投資先にもたらしてくれるかもしれない価値があるかもしれない。反対に、他 VC は私の投資スタイルやできないことを知っているし、私は投資先の将来展望について確信が無ければ、他 VC を数年に及ぶ冒険に巻き込むようなことはしないと、彼らもわかっている。

しかし、私は自分自身は投資に参加しないものの、個人的に他のファンドに自信を持って紹介できると感じるケースには、いくつかの理由がある。おそらく、投資機会が自分の投資のスイートスポット以外のところにあるか、投資資金が他のプロジェクトと関係を持ってしまっている(訳注:同業の他投資先がすでにいる)などの理由だ。

くだんの投資機会が他の投資家にとって適合する可能性があると思えば、私は起業家に個人的な紹介をするだろう。この方法は、起業家が他の投資家に会うために使いたい他の手段よりも効果的でないこともある。それでも構わない。私はその起業家の事業が、よく知る他の VC の関心にマッチすると思えば、紹介するだけのことだ(でも、紹介しなかったからと言って、私がそのプロジェクトの可能性を確信していない、とは思わないでほしい)。

起業家はいつも、自ら直接フォローアップしようと、私が適切だと思う VC のリストが欲しいと言ってくる。私はそういった要望は理解できるし、それを非難することも決してしない。しかし、起業家は他 VC にはまず個別に投資機会について相談した方が、はるかに効果的であるというのが私の個人的意見だ。そうすることで、他 VC は自分たちが持つ条件に則って投資機会をレビューでき、〝安全な対話〟が可能になる。彼らは、(驚くほど)しつこい起業家に悩まされるリスクがなくなるからだ。(起業家には)もし私が内々に共有してもよい情報があれば、それを示すようにしてほしい。

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