
世界最大の仮想通貨取引所の一つを運営するブロックチェーン企業 Binance(幣安)は23日、仮想通貨〜法定通貨取引所をシンガポールに開設に向け、Vertex Ventures から出資を受けたと発表した。目標は、2018年末までに取引所をローンチすることだ。出資金額については開示されていない。今回の出資は、Vertex China、Vertex India、複数の Vertex 東南アジアオフィスを通じて実施された。
仮想通貨取引所に加え、Binance はシンガポールにさらなる仮想通貨〜法定通貨ゲートウェイを開設したいと考えている。ゲートウェイは、新規ユーザが仮想通貨経済に参加する上でハードルを下げるツールの役目を果たす。Binance は今のところ収益の多くを仮想通貨間取引から生み出しているが、シンガポールでの動きからは、法定通貨向けサービスを作ろうという明らかな決断が見て取れる。Binance は、シンガポールドルと仮想通貨を取引できるようにする計画だ。
Binance は設立から14ヶ月という極めて歴史の浅い会社だが、仮想通貨取引市場では大手へと成長し、一部報道では取引規模で1日あたり10億米ドル相当を誇るとされる。しかし、同社にとっての道程は順調ではなかった。ニューヨーク州検事総長は、同社が違法に運営されているとして追求した。創業の地である香港で仮想通貨が取り締まられるようになって以降、Binance は正式にはマルタの企業となった。
Binance は自らを取引所とは呼ばず、仮想通貨、研究所、ローンチパッド、情報、学術サービス、信頼ウォレット、ブロックチェーンチャリティ財団などからなる「ブロックチェーンエコシステム」であるとしている。ブロックチェーンチャリティ財団は、チャリティ募金にブロックチェーン技術を適用しようというものだ。
Binance の CFO Wei Zhou(周瑋)氏は、声明で次のように述べている。
ブロックチェーンエコシステムを構築し、シンガポールのフィンテック分野で継続的なイノベーションを支援するため、当地のすべての関係者と協業できることを楽しみにしています。
Vertex は、シンガポールの政府系ファンド Temasek の VC 部門である。
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