Alibaba Cloud(阿里雲)、国際市場にブロックチェーンプラットフォームを投入へ——東南アジアと欧米からサービスを開始

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Alibaba(阿里巴巴)のクラウドコンピューティング部門 Alibaba Cloud(阿里雲)は、BaaS(Blockchain as a Service)プラットフォームの国際展開を開始した。

同社はこれまで中国のユーザにサービスを提供してきたが、今回、東南アジア、アメリカ、ヨーロッパ市場に参入した。

Alibaba Cloud では、Linux Foundation のハイパーレッジャープロジェクト「Hyperledger Fabric」、Alibaba 関連会社の Ant Financial(螞蟻金服)が開発した「Ant Blockchain(螞蟻区塊鏈)」上で、エンタープライズレベルのブロックチェーンアプリを動作させることができる。

企業は BaaS プラットフォームを使って、ブロックチェーン環境を構築したり、その開発、ディプロイ、運用、セキュリティを管理したりしている。Alibaba の BaaS プラットフォームは、Web ホスティングサービスが供給する、そのような機能と連携することができ、インフラやメンテナンスの問題を取り扱うことができる。

BaaS は、コンソーシアム型のブロックチェーンを使っており、パブリックブロックチェーンと違って、すべての人がアクセス権を持っているわけではない。いくつかのノードは、コンセンサス生成の任務を負う。

Alibaba Cloud Blockchain Service のシニアスタッフエンジニアで責任者の Yi Li 氏は、BaaS の狙いは、企業が自らのデジタルフォーメーションにブロックチェーンを活用できるようにすることだ、と述べている。

Alibaba は、BaaS を提供する最初の主要な中国プレーヤーではない。今年8月、JD.com(京東)はエンタープライズ顧客がブロックチェーンアプリを開発できる JD Blockchain Open Platform を開始した。Tencent(騰訊)Baidu(百度)も、同様のプラットフォームをすでにローンチしている。

しかし、Alibaba は現在、中国でブロックチェーン特許を独占している。2017年だけでも特許申請は43件に及び、これは世界合計の10%を占める数だ。Alibaba 関連会社の Ant Financial は、ブロックチェーンを5大主要技術の一つと捉えている。5大主要技術とは、Blockchain、AI、Security、IoT、Computing で、頭文字を取って「BASIC」とも呼ばれる。近い将来、全ての産業を BASIC が支配すると考えられている。

Ant Financial は6月にブロックチェーンベースの越境送金サービスをローンチしており、ユーザはこれを使って香港〜フィリピン間で送金が可能。Ant Financial は、このサービスをグローバル展開するため、ローカルパートナーと協業していると述べている。

Ant Financial のお膝元である中国は、ブロックチェーン技術の開発を後押ししている。政府や民間セクターは、電子インボイスシステム「fapiao(発票)」から薬の処方箋まで、あらゆるものにブロックチェーン技術を採用し始めた。しかし、それは中国の特性を目立ったものにしつつもある。

最近発行された規制の草案は、ブロックチェーンサービスプロバイダに政府への登録を求め、ユーザにはブロックチェーンプラットフォーム利用時に実名登録を求める、全体として中国のブロックチェーン業界を震撼させる内容だった。

【原文】

【via Technode】

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