テック界に日本とイスラエルの懸け橋を作った2人、海外観光客が「また来たくなる日本」を創造するビジネスに着手——エンジェル資金を調達

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地中海に沈む夕陽を見ようと、ひたむきに駆ける植野力氏と大串拓也氏(イスラエル・テルアビブで撮影)

<5日13時更新> 安達俊久氏の肩書きを、日本ベンチャーキャピタル協会 特別顧問から元会長に修正。

THE BRIDGE にもたびたびイスラエルのテックシーンについて寄稿してもらった Aniwo(エイニオ)出身メンバーの2人が、新しいスタートアップを始めることとなった。その名はマタビテクノロジーズ、旅行者に「また旅に来たい」という願いをかけてのネーミングだ。同社は、今日旅行者の8割を占める FIT(Free Independent Traveler)に、日本において良質な「タビナカ体験」を届けることを目標に掲げる。

マタビテクノロジーズを創業したのは、植野力氏と大串拓也氏。さらにここへ、現時点では名前を明らかにできないが、CTO となる人物が近日ジョインする予定だという。

前職でイスラエル人との交流が多かった彼らは、国土が小さいことや欧米のギャップイヤーなどの影響から、イスラエル人が非常に旅慣れていることを痛感。日本を訪れるアジアの人々は訪問先の予定を詰め込み、買い物を楽しんでることが多いのに対し、イスラエル人や欧米人の FIT は、日本に到着してから情報を集め、自分の興味あるところを巡る傾向が顕著であることに気づいたのだという。

FIT からは「日本はいい国だけど、また来たいってほどではない」とか「当初期待していたほど便利ではない」とか、旅慣れた人の目から見た現実的な意見も多い。日本は観光資源も、独自文化も、歴史も豊かな国なのに、これは残念。FIT に求められる情報が適切に整理されて、適切に伝わっていない点に問題があると考えた。(植野氏)

アプリのモックアップ
Image credit: Matabi Technologies

海外 FIT 向けの「ズボラ旅」的なコンセプトに近いのかもしれない。「自ら OTA をやることはない(植野氏)」ということなので、OTA への送客をはじめとするビジネスモデルを想定しているようだが、MVP が完成した頃に改めて詳報をお伝えしたい。

同社は、安達俊久氏(日本ベンチャーキャピタル協会 元会長)と、三島健氏(Expedia Japan 元代表)からエンジェル資金を調達している(調達金額非開示)。最後に、2人の投資家からもメッセージが寄せられているので紹介しておく。

マタビのデジタルテクノロジーを駆使した新たなビジネスモデルが、未だ知られていない日本の魅力を、世界の隅々に届けると信じています。(安達俊久氏)

旅の楽しさは新たな発見や経験。迷い戸惑うことではありません。マタビテクノロジーズはテクノロジーをベースとしながら、訪日旅行者の方々のセレンディピティのような出会いや発見を、お手伝いできるサービスを提供したいとスタートしました。これからの発展に期待してください。(三島健氏)

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