ミュンヘンのIDnow、AIと生体認証を使いモバイルでの認証を可能に

by Chris O'Brien Chris O'Brien on 2018.11.3

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IDnow CEO Rupert Spiegelberg 氏
Image Credit: IDNow

人は日々の用事をこなすのにますますモバイル機器を頼るようになってきているが、幅広い範囲の処理を認証するために紙ベースの ID の提出という古臭い要求にぶつかることもよくある。この厄介なステップを解消するために、IDnow は認証を自撮りと同じくらい簡単なものにしたいと考えている。

この技術は特にモバイルベースの金融テクノロジースタートアップにとって興味深いものだが、自動車、仮想通貨、保険、そして通信事業の企業にとっても魅力的だ。基本的に、スマートフォンで何かを売ろうとする際に法的および金融的な理由で個人認証を必要とするすべての者は、IDnow の「プラットフォームとしての認証」の潜在的なターゲットである。

IDnow の CEO である Rupert Spiegelberg 氏はこう述べる。

人々が慣れてくるにしたがって、顔認識のような技術は偽物や詐欺の企てをさらに発見できるようになってきています。弊社の主な課題は、この新しく拡大しつつある分野をターゲットとすること、そして多くの国々でロールアウトすることです。現在はこのビジネスの成長周期の、まさに初期段階にいるのだと思います。

IDnow の課題は多くのヨーロッパのスタートアップが直面しているものでもある。東では、アジアでモバイルの顔認識のソリューションを開発している多くの競争相手がいる。そして西では、画像認証プラットフォームで5,500万米ドルを調達し、潤沢な資金を持つシリコンバレー拠点の Jumio がいる。Jumio は2018年の9月までの売り上げが前年比で130%上昇したと発表したばかりである

2014年に設立されミュンヘンを拠点とする IDnow はベンチャーキャピタルで1,200万米ドルを調達し、300名の社員を擁している。同社がターゲットとしているのは潜在的に数十億相当の認証市場だ。

同社の主力製品には IDnow Autoldent がある。ユーザが自撮りし、AI 駆動のアルゴリズムが同社の集めたデータベースとマッチさせて、193ヶ国の政府が発行した幅広い ID に対して認証する。この機能を正確に作動させることは大きな技術的偉業だった。光の問題やそれぞれの OS、携帯電話端末、そしてカメラの質による癖を修正しなければならなかったのだ。

企業はエージェントによる追加的な認証を含むバージョンを選ぶこともできる。そして同社は API を持っているために、この技術はサードパーティのアプリ内にすぐに作ることができ、このアプリをオンボーディングプロセスの一部とできるのだ。

Spiegelberg 氏によれば、潜在的な顧客を会社が失うという最大のリスクがあるサインアップやオンボードシステムは不格好であると、データは示し続けているという。IDnow を使い始めた顧客の中には、コンバージョン率が50%アップしたところもあると同氏は付け加えた。

もちろん、この技術は議論なしにはあり得ない。様々な管轄下で使用の許可を得るには、時間がかかる規制当局の承認を得る必要がある。例えば、同社はフランスでも早く利用可能となることを望んでいる。

だが特にプライバシーが敏感な問題となっているヨーロッパでは、顔をスキャンしてその情報をサードパーティに託すというアイデアは困難なものだと言えるだろう。万人が使えるものであるが、こういったソリューションは若い消費者の方が受け入れやすい傾向があると Spiegelberg 氏は述べた。

今月(10月)に入って、IDnow とその最大の顧客の1つであるモバイル銀行 N26 との間で論争も起きた。ドイツのニュースサイト Handlesblatt Global が公表した調査によると、N26 のセキュリティ手続きを破り偽の ID でアカウントを作ることが簡単にできたそうだ。その後、その件を検出することはできたが詐欺を100%根絶するのはどんなシステムでも不可能だと N26 は返答した

一方で IDnow は声明を出し、その件が関係しているのは N26 がドイツの外で認証のために使用しているサードパーティのソリューションであり、IDnow の技術ではないとした。

声明の中で Spiegelberg 氏は以下のように述べた。

IDnow は数年にわたって数百万ユーロを投資し、詐欺に対抗するための最も洗練された防衛手段を講じてきました。そして最新の脅威に対抗するために、弊社は継続的にサービスを改善しています。

最も大きな課題として IDnow に残っているのは、他社が前進するのと同じくらい早く拡大していけるのかどうかということである。それは、やがては資金調達や人材雇用を十分に早くできるかどうかにかかってくることになると思われるが、その2つはシリコンバレーがヨーロッパの企業よりもまだ有利な部分である。

しかしまだ規制として他の障壁も残っている。ヨーロッパではデジタル・シングル・マーケットを作ろうとする取り組みにもかかわらず、金融のような問題はバラバラなパズルのように、それぞれの国の機関がルールを管理しているままである。このためフィンテック関連の拡大は骨が折れる仕事となっている。とは言うものの、これはセキュリティとプライバシーに関する全ての問題がきちんと精査されていることを消費者や企業に保証するものであり、長期的には利点となり得るものだと Spiegelberg 氏は論じる。

弊社はヨーロッパにあります。規制が厳しく、規制当局が新しいサービスを許可するハードルは高いです。良い点は、それにより弊社のような企業はレベルを上げ、セキュリティ面で高い基準をきちんと満たすよう強いられていることです。(Spiegelberg 氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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