NZのPredictHQがステルスを脱し正式ローンチ、1,000万米ドルを調達——Uberなどのサージプライシング(ピーク料金)のタイミングを予測

by Paul Sawers Paul Sawers on 2018.11.17

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ノートパソコンで PredictHQ を使っているところ
Image Credit: PredictHQ

大規模なスポーツイベントの最中や集中豪雨の間に Uber を利用しようとしたことがある人は、見積価格が通常よりも高いことに気づいたかもしれない。それは全てサージプライシング(ピーク料金)によるもので、Uber が長年採用してきたメカニズムだ。需要が高い時の供給を管理するためと、そう、より多くのお金を請求するためでもある。

たいていの場合、サージプライシングが始まるタイミングを知るのは難しい。おそらく Uber 自身もタイミングはほとんど知らないだろう。特定のエリアで普段より多い配車リクエストを検知すると、ただ自動的に反応するようになっているからだ。近くのドライバーも、10マイル以内にサージエリアがある場合通知を受信でき、サポート(と、収入の増加)ができるようになっている。

しかし、あるステルス企業が Uber のような会社を手助けしようと乗り出している。サービスへ大きな需要が起こる可能性が高いのはいつか、もっと前から予測するのだ。

イベントインテリジェンス

ニュージーランドに本拠地を構える PredictHQ は、祝日のイベントや行事、コンサート、フェスティバルなどに関する無数のソースから基本的にデータセットを集約する。他にも、自ら手動で収集・整理した「見つけにくいデータ」や独自のデータも加え、全てを1つの API にまとめて、Uber や Domino’s、Booking.com に使用権を提供している。

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PredictHQ プラットフォームのイメージ図

同社は具体的にどのソースを使用しているかは VentureBeat に明かさなかったが、商業用データベースや「提携先を豊かにする」正当なオープンデータベース、各メディア、ユーザが生成したデータセットなど、幅広いソースを使用していると話す。

PredictHQ の共同設立者兼 CEO、Campbell Brown 氏は VentureBeat に対し次のように語った。

イベントはビジネスに多大な影響を与えます。ほとんどの場合、実感されていないだけです。弊社では、需要のきっかけを、発生する前に企業が知ることができるようにして、群衆が束になって押し寄せてきた時になって慌てて需要に対応することがないようにしています。

ある例を引用すると、Brown 氏によれば、American Society of Hematology(米国血液学会)という学会が毎年アメリカの異なる都市で開催され、2万5,000人以上の人を動員するという。(来月サンディエゴで開催予定)きちんとした準備がされないと、地元のサービスに大きな負担をかける可能性がある。そこに大きなロックコンサートが偶然同じエリアで開催されるとなると、実際に局所的なリソース問題になりかねない。

Brown 氏はこう付け加える。

ほとんどの人は、「American Society of Hematology」なんて学会が存在することすら知りません。そこに Fleetwood Mac や宝石見本市が組み合わさると、需要が推定40%も増加するという事実も知りません。毎年その都市で旅行や観光、物流、もてなしにどれほどの影響があるかは、言うまでもありません。予測していない需要の急増に対して準備をすることは不可能ですが、イベントインテリジェンスなら可能です。食品チェーン店を運営しているなら、十分対応できる量の材料を確実に注文することができますし、Uber でしたら、先を見越して道路により多くの車を投入し、乗客を拾う時間を改善することができます。

ステルス

2015年にオークランドで設立した PredictHQ は、ステルスモードを経て本日(11月6日)公式にローンチした。同時に、Aspect Ventures がリードし、Lightspeed Venture Partners、Rampersand VC、AddVenture Fund が参加したシリーズ A ラウンドで1,000万米ドルを調達したことを明かした。同社はこれまでに200万ニュージーランドドルを調達しており、これは米ドル換算でおおよそ140万米ドル程度になる。

また、PredictHQ はアメリカ市場への強化を見据え、本拠地をニュージーランドからサンフランシスコに移す予定だ。事実、PredictHQ が初めてアメリカ拠点の投資を確保できた理由は、CEO の Brown 氏がアメリカに会社と家族を移す用意があったからだ。

Brown 氏は次のように話す。

私たちが PredictHQ を始めた理由は、旅行業界は人が動くきっかけを理解することで、利益を得ることができると実感していたからです。ただ、イベントデータインテリジェンスの潜在的チャンスは、旅行といったある特定の業界にとどまらないということをすぐに実感しました。このため、私たちは、データインテリジェンスの提供者から新しい形のインテリジェンスへ進化し、企業が顧客のニーズを理解するお手伝いができる道に進むことになったのです。弊社は国際的な存在感を高め、アメリカとニュージーランドの両方で熟練のチームを採用し、全ての業界がイベントデータをインテリジェンスの形で使用できるよう支援する予定です。

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PredictHQ チーム:右から2人目がCEO Campbell Brown 氏

最初は、PredictHQ のほとんどの従業員が引き続きニュージーランドを拠点にするが、そのうち変わるだろうと同社は予測する。特に、将来ある段階で新しくヨーロッパオフィスを開設する予定もあるからだ。

ビッグデータ

ビッグデータを活用し有意義な情報を引き出すということは、多くの業界にとって大規模なビジネスだ。過去数ヶ月だけ見ても、Hopper が自社のビッグデータ駆動の航空運賃予測プラットフォームの拡大に1億米ドルを調達している。ZenCity も、都市がデータを高速処理し住民の意見を追跡できるよう支援する AI プラットフォームで600万米ドルを調達している。他にも、Launchmetrics は、ビッグデータを利用しインフルエンサーを狙うブランドへの支援に5,000万米ドルを確保した

Aspect Ventures の共同設立者である Theresia Gouw 氏は以下のように語る。彼女は今回、PredictHQ の取締役会に加わることになった。

非常に長い間、企業は、世界中の人の動きがいかに収益や商品の利用、サプライチェーン、運営に影響を与えるか、ということを真に理解する能力に欠けていました。PredictHQ はこうした問題を解決します。

PredictHQ を使えば、Booking.com は、その地域で開催されることが判明しているイベントをもとに、ホテルの部屋の「価格を最適化」できる。別の角度から見ると、データを利用してより高い価格を請求できるようになるということだ。同じことは、もちろん Uber にも言える。さらに、Domino’s のような企業にとっては、データはとてつもなく役に立つ。どの時間にドライバーを何人シフトに入れるか、どの店舗にどれだけの材料を割り当てるべきか、ということがわかるからだ。

結局のところ、要はサプライチェーンへの理解を深めるということだ。潜在的には、航空業界や飲食業界の多国籍企業から衣料小売業者まで、あらゆる種類の企業での利用が考えられる。

実際の商品やサービスを販売する企業なら、運送業からソフトドリンク、パソコンのハードウェアまで、あらゆる会社がサプライチェーンを最適化し、需要を理解する必要があります。PredictHQ なら、サプライチェーンを理解するために企業が必要なデータを今利用することができます。

Lightspeed Venture Partners のパートナー、Arif Janmohamed 氏はそう付け加えた。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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