RATEL CEO の吉村信平氏(右)と、F Ventures 代表の両角将太氏(左) Image credit: F Ventures / RATEL
福岡を拠点とする e スポーツスタートアップ RATEL(ラーテル)は5日、シードラウンドで ABBA Lab、NOW、F Ventures から1,000万円を調達したと発表した。RATEL は、eスポーツプレーヤー向けのマルチプラットフォーム「ePS(イーパス)」を開発中。 調達した資金を使って、開発とチーム体制を強化するとしている。
Image credit: F Ventures / RATEL
RATEL は2018年10月、福岡在住で e スポーツ歴8年の高校3年生、吉村信平氏により設立された。ePS は、e スポーツプレイヤーの戦歴保証をはじめ、大会やイベントの検索、参加登録機能、eスポーツプレイヤーのチーム管理機能などを備えている。10月6日に福岡市内で開催された F Ventures によるスタートアップイベント「TORYUMON」のピッチに登壇、優勝したのを機に出資を受けることとなった。
東京に拠点を置くユーティルは5日、企業がWebサイト制作会社の一括見積・比較・発注支援などを依頼できる「Web 幹事」をローンチした。依頼企業の要件に合わせてコンシェルジュが最適な制作会社を提案、制作会社に代わって依頼元から要件ヒアリングを実施し RFP(要件定義書)も制作する。制作会社は、それぞれ得意とする分野やこれまでの顧客評価をもとに依頼企業に紹介されるため、依頼企業の担当者が制作業界に詳しくなくても、納得の行く仕上がりを適正価格で得られるのが特徴。依頼企業から Web 幹事への料金支払は発生しない。
ユーティルは、以前 JAFCO でネット宅配クリーニング「リネット」のホワイトプラスをはじめ、スタートアップへの投資を担当していた岩田真氏らにより2015年4月に設立、Web 制作の受託で事業を開始した。事業を展開する中で、岩田氏は Web 制作業界にはいくつかの問題点があることを痛感することとなる。
制作会社は繁忙期と閑散期の差が激しく、恒常的に優秀な人材を抱えて会社を安定経営するのが難しい業態だ。広告代理店、制作会社の二次受け三次受けという、受注体制のヒエラルキーは利益を圧迫。一般企業からの Web 制作受託に限れば、リピート発注を得る機会はさほど多くないので、制作会社は常に新規受注を取り続けなければならない、というプレッシャーもある。もっとも評判のいい Web 制作会社は手一杯であることが多く、追加的に広告やマーケティング活動をする必要性は低いのかもしれない。仕事にあぶれた Web 制作会社が広告を出稿し、Web 制作に不慣れな依頼企業の担当者がそういった制作会社に発注する、というシナリオは想像に難くない。
良質な制作会社の営業活動を支援・代行し、リテラシーのあまり高くない依頼企業の担当者にも役立ちたい、と作られたのが Web 幹事だ。言わば、〝Web 制作会社版の食べログ〟。人海戦術で全国にある Web 制作会社の情報を集めまくり、それらをデータベース化した。正式な統計は無いが、岩田氏によれば、全国にはフリーランスを含め1万社程度の Web 制作会社が存在すると推定され、Web 幹事がデータを持つ3,600社は概ね3分の1にあたる。リレーションがある制作会社については、それまでのポートフォリオや会社資料が掲載されており、今後、制作会社のインタビューなども掲載する予定。
依頼企業の担当者によっては、Web 制作に関するリテラシーが著しく低いケースもあり、彼らのニーズに応えるべく、将来は B2B 版の「保険の窓口」のような、いくつかある Web 制作会社の中から最適な発注先を導き出せるようなサービスに育てていきたいと、岩田氏は語る。
Web 幹事のビジネスモデルでは、依頼企業からユーティルへの料金は発生しないが、案件成約時にのみユーティルが Web 制作会社から制作費の10%を送客手数料として受け取るしくみ。現在のところ、前述したコンシェルジュの役割を岩田氏自らが務めているが、ユーザや需要のグロースに応じて、コンシェルジュを増員する考えだ。要件ヒアリングのスキルと Web 制作の知見があればリモートワークでも対応できる上、工数あたりの収益性も高いことから、岩田氏はサービスのスケーラビリティにも自信を見せる。
今はまだ、制作会社の中にはユーザに寄り添えていないところが多い。ユーザに寄り添うことで、その制作会社の評判は高まり、紹介できる Web 制作依頼は増えることになるだろう。相見積もりが求められるようなニッチの世界に、Web 幹事の需要はたくさんあると思う。Web 幹事がうまくいったら、不用品回収とか、あらゆるニッチなバーティカルに同様のサービスを提供していきたい。(岩田氏)
Web 制作会社などにとっては、ユーティルが作り出す一括見積・比較・発注支援サイトは、案件が流入してくれる一大営業ネットワークと位置付けることができる。特に、営業やマーケティングの力が強くなく、コンテンツ制作や技術開発などアウトプットで勝負している企業にとっては、頼りにできる存在だ。同社は昨年、シードラウンドで5,700万円を調達している(エンジェル投資家からの出資に加え、金融機関からの融資を含む)。
本稿は、Disrupting Japan に投稿された内容を、Disrupting Japan と著者である Tim Romero 氏の許可を得て転載するものです。Tim Romero 氏は、東京を拠点とする起業家・ポッドキャスター・執筆者です。これまでに4つの企業を設立し、20年以上前に来日以降、他の企業の日本市場参入をリードしました。 彼はポッドキャスト「Disrupting Japan」を主…
本稿は、Disrupting Japan に投稿された内容を、Disrupting Japan と著者である Tim Romero 氏の許可を得て転載するものです。Tim Romero 氏は、東京を拠点とする起業家・ポッドキャスター・執筆者です。これまでに4つの企業を設立し、20年以上前に来日以降、他の企業の日本市場参入をリードしました。
時間に拘束されない簡単な収入源の確保が好評で、外国人のコミュニテイづたいに人気を呼び、サービス開始初年度で1万人が登録(YOLO JAPAN では彼らのことを YOLAR と呼んでいる)。現在ではその数も5.2万人に達し、彼らの出身国も217カ国と国連の加盟国数よりも多い。
YOLAR の人数が増えたことで短期アルバイトのみならず、より高度な長期就労案件も扱えるようになった YOLO JAPAN だが、ここで新たな問題が浮上した。外国人労働者のビザと日本語能力の問題だ。前者はクライアントに代わって YOLO JAPAN が一部面接を代行することで、クライアントのリスクを軽減した。
Image credit: Yolo Japan
しかし、解決が難しいのは後者の問題。どんなにビジネススキルが高くても、日本語を満足に操れないと就職できないのが日本の現状。そこで YOLO JAPAN では最初はあまり高い日本語能力を求められない業務に就いてもらい、そこから言語習得の進展に応じて、キャリアアップが可能なしくみを構築した。具体的には、工場ラインなどから始まり、次第に飲食業やオフィスワークといったステップを踏む。
COO としてチームにジョインすることになった椿奈緒子氏は、最近まで VOYAGE GROUP 内で企業内起業に精を出していた人物だ。ブラジル人男性と結婚し二児の母となった彼女は、長年籍を置いた VOYAGE を3ヶ月ほど前に退社。その時点では次の動きについて明確な予定は無かったのことだが、ワーキングマザーと外国人を支援したいという日頃からの思いを実現できる仕事との出会いから、今回 YOLO JAPAN への参画を決めた。
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YOLO JAPAN は、2017年5月にぐるなび(東証:2440)、みずほキャピタル、三菱 UFJ キャピタルから1億円、2018年9月に東急不動産(東証:3289)、大成(名証:4649)、南海電鉄(東証:9044)から3億円を資金調達している。南海電鉄にとっては、初めてのスタートアップ投資となる。来年9月には南海電鉄の協力を得て、大阪・新今宮駅近くに、宿泊やコワーキングスペースの機能を備えたインバウンド就労トレーニング施設「YOLO BASE」を開設する計画だ。
シンガポールを本拠とする動画プラットフォームの Uiza は本日(10月24日)、Tech in Asia Jakarta 2018で行われたアリーナピッチバトルで他の5社を制し、選考により5,000万ルピア(3,300米ドル)を獲得した。 動画サブスクリプションアプリの制作、マルチチャネルでの動画パブリッシュなどをする際、API プラットフォーム上でそれが可能となる使いやすいツールキットをこの会…
Tech in Asia Jakarta 2018 アリーナピッチバトルの優勝者 Photo credit: Tech in Asia
シンガポールを本拠とする動画プラットフォームの Uiza は本日(10月24日)、Tech in Asia Jakarta 2018で行われたアリーナピッチバトルで他の5社を制し、選考により5,000万ルピア(3,300米ドル)を獲得した。
動画サブスクリプションアプリの制作、マルチチャネルでの動画パブリッシュなどをする際、API プラットフォーム上でそれが可能となる使いやすいツールキットをこの会社は開発した。ESP Capital と日本の IT 企業 Framgia からも資金を調達し、視聴体験の最適化に向けてデータサイエンスも活用している。同社は現在100のアプリを提供しており、2017年には31万2,000米ドルの年商を記録した。
以下、果敢に争ったライバル企業をアルファベット順に紹介しよう。
Bizhare(インドネシア)
インドネシアにある多くの中小企業(SME)は、今でも事業拡大に必要な資金が不足している。Bizhare はこうした SME を支援することを使命としている。500万ルピアほどの低額で、利用者は同社プラットフォームを通して出資したり SME の一部オーナーになれたりするほか、毎月の収入を稼ぐこともできる。しかし、よくある株式のクラウドファンディングスタートアップではない。AI やマシンラーニングを活用して、SME のリスクプロファイルや投資家プロファイルを分析している。それにより投資家と、その嗜好に最も合う企業をマッチングさせることができる。
企業は通常、自社のデータをサイロに貯め込んでいる。つまりデータは他のシステムから切り離されて、ほとんどが利用されていない。Datanest の存在意義はそこにある。このスタートアップはデータサイロをつなぐ「データサイエンス・アズ・ア・サービス」プラットフォームとして機能し、企業が自社のデータを AI やマシンラーニングを使って分析する手助けをしている。初のユースケースとして、利用者がローンの検索、比較、申請ができるフィンテックアグリゲータプラットフォームをローンチした。最近、クレジットスコアリングの機能も追加された。
Medi Whale(韓国)
高血圧症や心臓血管の疾患など慢性的な病気を原因とする典型的な合併症に目の疾患がある。Medi Whale によると、非侵襲的な方法で血管を検査できる体内の器官は目しかないという。彼らは何らかの健康上のリスクを見つけるのに、生体マーカーとしての網膜像を利用する AI 技術を開発した。
Screea(台湾)
台北を拠点とするアクセラレータ MOX の支援を受けている Screea は、利用者が世界中どこでもポイントを獲得・消費できるユニバーサルなリワードプラットフォームを提供している。
前職でイスラエル人との交流が多かった彼らは、国土が小さいことや欧米のギャップイヤーなどの影響から、イスラエル人が非常に旅慣れていることを痛感。日本を訪れるアジアの人々は訪問先の予定を詰め込み、買い物を楽しんでることが多いのに対し、イスラエル人や欧米人の FIT は、日本に到着してから情報を集め、自分の興味あるところを巡る傾向が顕著であることに気づいたのだという。
FIT からは「日本はいい国だけど、また来たいってほどではない」とか「当初期待していたほど便利ではない」とか、旅慣れた人の目から見た現実的な意見も多い。日本は観光資源も、独自文化も、歴史も豊かな国なのに、これは残念。FIT に求められる情報が適切に整理されて、適切に伝わっていない点に問題があると考えた。(植野氏)
アプリのモックアップ Image credit: Matabi Technologies
海外 FIT 向けの「ズボラ旅」的なコンセプトに近いのかもしれない。「自ら OTA をやることはない(植野氏)」ということなので、OTA への送客をはじめとするビジネスモデルを想定しているようだが、MVP が完成した頃に改めて詳報をお伝えしたい。
同社は、安達俊久氏(日本ベンチャーキャピタル協会 元会長)と、三島健氏(Expedia Japan 元代表)からエンジェル資金を調達している(調達金額非開示)。最後に、2人の投資家からもメッセージが寄せられているので紹介しておく。