生活習慣病患者向けソフトウェア開発のSave Medical、シードラウンドでマクニカから1億円を調達

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2018.11.16

左から:幸村潮菜氏(マクニカ)、淺野正太郎氏(Save Medical 代表取締役)、塚原大氏(Save Medical Chief Product Officer)、野口昌克氏(Save Medical 取締役、JOMDD 事業開発シニアディレクター)
Image credit: Save Medical

生活習慣病患者向けソフトウェアを開発するスタートアップ Save Medical は16日、シードラウンドでマクニカから1億円を調達したことを明らかにした。マクニカは本ラウンドにおける唯一の投資家

Save Medical は2018年5月、デジタルヘルス開発会社の日本医療機器開発機構(JOMDD)の子会社として、以前 Recruit Strategic Partners(RSP)でデジタルヘルス投資を担当していた淺野正太郎氏により設立されたスタートアップで、外部からの調達としては今回は初めてものとなる。

デジタルヘルス分野においては、これまでにもソフトウェアやアプリは少なからず存在しているが、Save Medical が新しいのは、「治療を補助する単体プログラム医療機器」としてのソフトウェア開発を目指している点だ。他の医療ハードウェアデバイスを使うための付随ソフトウェアではなく、ソフトウェアそのものを医療機器として医薬品医療機器総合機構(PMDA)から承認を受けることを想定している。

淺野氏は RSP での投資経験などを通じてデジタルヘルス分野の高まりを痛感、Save Medical の設立に至る過程で「Digital Health カオスマップ日本版」を発表し、MedTech 周辺のコミュニティで話題を呼んだ。薬の処方などで治療が可能な一過性の疾病に比べ、生活習慣病はその名の通り、治療のためには生活習慣の改善が必要だが、これを患者に求めるのは非常に難しいという側面がある。薬の処方と同じレベルで、食事や体重管理など患者に寄り添った指導をソフトウェアで提供することには大きな可能性がある。

淺野氏は、Save Medical を創業したきっかけについて、THE BRIDGE とのインタビューで次のように語っている。

デジタルヘルスをやりたいと思っていたところへ、特に日本人を対象に提供できる可能性が出てきたところに、しっくりきた。ソフトウェアを医療機器として販売できるようになれば、時間はかかると思うが、医療現場に届く可能性は高いのではないかと思っている。

欧米などで開発された新薬が、日本で承認を受けて処方が可能となるまでには遅延期間が存在する。これを医療業界では「ドラッグ・ラグ」と呼んでいるが、最近では同様に、医療分野のアプリが日本市場で承認を受けて処方可能となるまでの期間を「アプリ・ラグ」と呼ぶのだそう。ソフトウェアやアプリを使うことで健康が改善される人が一定数いることは世界各国で確認されており、Save Medical はこの流れをいち早く日本市場に取り入れることを目標に据えている。

マクニカは現在、デジタルヘルスとヘルスケア、AI などを活用した業務ロボット、エネルギー全般とスマートエネルギーの3つの分野の新規事業開発にフォーカスしており、今回の Save Medical への出資は、最初のカテゴリへの注力に沿ったものだ。Save Medical の淺野氏(代表取締役)、塚原大氏(Chief Product Officer、キュアアップ出身)、野口昌克氏(取締役、JOMDD 事業開発シニアディレクター)に加え、マクニカで新規事業創出を担当する幸村潮菜氏がボードメンバーにジョインする。

Save Medical は今回調達した資金を、ソフトウェアのリリースに向けた研究開発全般に使う予定だ。現時点でソフトウェアのリリース時期については明らかになっていないが、「足の長いビジネスになる(淺野氏)」ということから考えても、治験・臨床や学会での発表などを経て、我々が日常的に医師からソフトウェアを処方されるようになるまでには、少なくとも数年以上は要するものと思われる。

この分野のスタートアップとしては、不眠症治療用アプリを開発するサスメドが今年6月に7.2億円を調達している。マクニカのこの分野への関与を見てみると、昨年12月、対話型健康管理ロボット「Mabu」を開発するアメリカのスタートアップ Catalia Health に出資している。

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