あらゆる住所を3つの単語だけで表現する英国スタートアップwhat3words、Sony Innovation Fundから数十億円相当を調達

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Plug and Play Japan の Phillip Seiji Vincent 氏(左)や江原伸悟氏(右)と共に、what3words のサインをする what3words VP の Ahley Marie Cashion 氏(PnpJ Batch1 Expo から)
Image credit: Masaru Ikeda

ロンドンに拠点を置く what3words は6日、Sony Innovation Fund(SIF) から資金調達したことを明らかにした。同社は2013年にスタートしたミドルステージのスタートアップで、直前のラウンドまでに調達した資金は Crunchbase によると1,380万米ドル(約16億円)。今回の SIF からの調達金額は明らかになっていないが、累積調達金額が4,350万スターリング・ポンド(約62億円)と発表されているので、数十億円相当と見られる。なお、調達ラウンドは不明。

世界中を3メートル四方の空間に分け、たった3つの単語で位置情報を表わすシステムを開発している。自動車やドローンの自動運転においては、住所ではなく正確な位置情報が必要がある。番地だけでは複数の住居が存在する場合もあるし、国や地域によっては地番が整備されていないケースがあるからだ。

what3words のピッチ(Plug and Play Japan Batch1 Expo から)
Image credit: Masaru Ikeda

緯度と経度の値があれば正確な位置を指定することができるが人間には覚えにくい。この問題を解決するのが whats3words で、「tables.arena.runners」など有機的な言葉を組み合わせることで、緯度・経度に変換する API を提供している。

人間は住所の代わりにこの3つの単語だけを覚えればよいので、カーナビはもちろん、ロードアシスタンスやピザデリバリなど用途は多彩。メルセデスがカーナビシステムに取り入れている他、遊牧民族のため住所が取得しづらいことが長年の課題になっていたモンゴルの郵便局など、日本では観光 SNS の「Deaps」など、約600社のパートナーで利用されている。

what3words は先ごろ開催された Plug and Play Japan(PnPJ)の「Batch 1」デモデイで、モビリティ分野の「EXPO Winner」「Global Startup Award」の2つの賞を獲得している。

via PR TIMES

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