GBの年次イベントで、10社がピッチバトルに登壇——医療介護SNS、発酵技術、衛生要因の可視化、自動運転向け画像解析技術のチームが入賞

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本稿は、Global Brain Alliance Forum 2018 の取材の一部。

グローバル・ブレインは7日、都内で年次イベント「Global Brain Alliance Forum 2018」を開催している。この中で開催された、スタートアップ・ピッチイベント「Pitch Battle」には、日本内外からスタートアップ10社が東京に集積し、ピッチで凌ぎを削った。

本稿では、入賞したチームについてのみ紹介する。 Pitch Battle で審査員を務めたのは次の方々。

  • 朝倉祐介氏(シニフィアン 共同代表)
  • 有安伸宏氏(起業家・エンジェル投資家)
  • 小林清剛氏(Chomp Co-founder and CEO)
  • 杉山雅紀氏(日活 社外取締役)
  • 千葉功太郎氏(個人投資家、Drone Fund 代表パートナー)

【審査員賞(Pitch Panel Award)】MedicalCare Station by Embrace

エンブレースは、医療介護従事者向けの SNS「MedicalCare Station」を開発・提供している。医療現場などでは従来から、拠点間や担当者間のやり取りは、FAX などに頼ることが多かった。MedicalCare Station はこの連絡手段をデジタル化し、さらに、タイムラインの真ん中に患者を据え、その患者の診療や看護に関わる関係者をタイムラインに招いて実現する、クローズドな業務特化 SNS だ。

医療介護従事者は無料で使えるものの、医療現場に新しいツールが参入するのは決して容易ではない。そこでローンチからの5年間、エンブレースでは徹底して全国の医師会への働きかけを続け、現場への普及を図ってきた。この努力が功を奏し、現在では全国にある891ある医師会のうち、約4分の1にあたる214の医師会で利用契約を締結。全国の34,000の医療介護施設で利用されている。MedicalCare Station のユーザベースを元に、ヘルスケアアプリの開発プラットフォーム(SaaS)を開設しており、これを医療や薬品メーカーに有料開放することでマネタイズしている。

【聴衆賞(Audience Award)】未利用資源による発酵製品の開発 by Fermenstation

Fermentstation は、先ごろ行われた「JR EAST STARTUP PROGRAM」第2期デモデイで青森市長賞を獲得したスタートアップとしても紹介した。同社は岩手県に本拠を置く、発酵技術を中心とした技術開発会社だ。休耕田だった田んぼでコメを作ってもらい、それを発酵・蒸留してコメ由来のエタノールを精製し、化粧品を作って販売している。精製過程で発生した絞りカスは、田んぼに返すことでムダのないサステイナブルな事業を構築した。

未利用資源発酵による製品はストーリー性があることから、小売大手などからも OEM の相談が相次いでいるという。その一つであるザザビーリーグのビューティー製品ラインアップ「AKOMEYA TOKYO」は、Fermenstation の OEM 生産によるものだ。米の絞りカスは蒸留粕として製品化しているほか、牛に食べてもらって、その牛の肉をクラウドファンディングで販売。鶏に食べてもらって、その糞を肥やしとして畑に戻している。このサステイナブルな事業が注目を浴びたため、視察ツアーを開催し地元経済にも貢献している。

【GBAF 賞(GBAF Award)】衛生要因の可視化 by おかん

THE BRIDGE の読者であれば、おかんの名前はこれまでに何度も目にしているかもしれない。オフィスに用意された専用冷蔵庫に真空包装されたおかずがストックされ、社員は一品100円で購入できる仕組みだ。導入企業から社員数などに応じて月額料金を徴収しており、企業にとっては社員に対する福利厚生サービスの一環として機能している。累計1,300拠点以上のオフィスで導入されているとのこと。

おかんは、労働力人口が減少し人材不足が倒産になっていく時代を見越して、社員の離職の要因となるハーズバーグの二要因理論(動機付け・衛生理論)に着目した。ここでいう動機付け要因(「満足」に関わる要因)と衛生要因(「不満足」に関わる要因)のうち、衛生要因をかいぜんすることで離職率を低減するためのアプローチは、世の中にもあまり無いのだという。おかんでは、衛生要因の評価や問題点を可視化するサービスを今月中にβローンチする予定だ。

【GBAF 賞(GBAF Award)】自動運転向け衛生要因の可視化 by StradVision

韓国/アメリカスタートアップの StradVision は、自動運転での利用を想定した正確な環境認識を可能にする画像認識エンジン「SVNet」を開発している。SVNet は、スペックの低いチップセット上でもリアルタイムに高効率な処理が可能で、ディープラーニングによるオブジェクト検出ができる。チップセットに高いスペックを求めないため、すでにユーザ持っている自動車に、チップセット(ハードウェア)を交換しないまま SVNet(ソフトウェア)を導入できる点が最大の特徴だ。

現在はアメリカと中国で市場展開しており、OEM による生産・販売が中心。これまでに HDTP Technology、ヒュンダイ自動車、 LGE、グローバル・ブレインから資金調達している。今年8月には、韓国の自動車部品メーカー大手ヒュンダイモービスから80億ウォン(約8億円)を調達して話題となった

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