インド政府、コンピュータ通信の傍受・監視・暗号解除する権限を省庁や警察に認可——国民に動揺が広がる

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2018.12.29

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Image credit: Pixabay

あらゆるコンピュータ上のデータを傍受、監視、暗号解除する権限をインド政府が10の中央省庁に認可し、国民やプライバシー団体に衝撃の波紋が広がっている。

ナレンドラ・モディ政権は20日遅くに同国の2000年情報技術法第69条の適用範囲を拡大し、サービスプロバイダーやその加入者、またはコンピュータ関係者に「当局機関に便宜や技術的支援を図ること」を義務づけることとなった。当局機関に従わない場合、7年間の懲役や金額不定の罰金が科せられる可能性がある。

21日発表された説明の中で、通信傍受や監視、暗号解除はケース毎に、管轄当局である国家内務長官の承認を取得することになると内務省は述べている。

この新たな権限を認可された当局機関は、情報局、麻薬取締局、執行局、直接税中央税務局、歳入情報局、中央調査局、国家調査局、研究・分析局、信号情報局(ジャンムー・カシミール、北東およびアッサムサービスエリア内)およびデリー警察だ。

この政令の背景として、国家セキュリティのための措置だとインドの IT 大臣ラヴィ・シャンカール・プラサード氏は説明している。同国では何年にもわたり何らかの形での「通信傍受」は実施されてきており、今回の政令はそのプロセスをより体系だてるものだと補足説明する。大臣はテレビインタビューで次のように述べた。

常に覚えておいて頂きたいことは、たとえ特定の個人が対象になる場合であっても内務長官の認可を受けない限り傍受命令は効力を得ることはないということです。

国民に広がる懸念

インドの人々のオンライン権利を保護する非営利団体の Internet Freedom Foundation は、本政令は電話の盗聴を超えるものであるとして注意喚起している。この政令はコンテンツストリームを監視することも対象となり、場合によっては暗号を解除することでさえ起こりうる。同団体はこのように話す。

過去何年間にもわたる Google 上での検索クエリーを、WhatsApp のメタデータ(いつ、だれと会話したか)、e メールや Facebook などによるデータストリームが何層あったかなどと合わせて開示要求を受けることを想像してみてください。

私たちにとって、この政令は違憲であり、電話通信傍受ガイドラインやプライバシー判決、アドハー判決に抵触しています。

同団体はこのように主張しており、ボランティアや弁護士と本制令をさらに精査すべく協議中だと補足した。

また、野党も本政令に対して懸念を表明している。国民会議派は次のように述べる

モディ政権からストーカー政権へ、明らかにインド人民党政権は一連の損失により情報というものに対してやけになっているとしか言えません。

同党幹部リーダーの P Chidambaram 氏はこう付け加えた

あなたのコンピュータを含め、すべてのコンピュータを誰かが監視するようになったら、それはもはやオーウェル的世界です。ジョージ・オーウェルは間近に迫っています。これは非難すべきことです。

IT 大臣のプラサード氏は、テロ活動の拡散はインターネット上で展開されているとし、政府はそれを阻止する施策を何もすべきではないと考えているのかと問いかけて野党を非難した。(以前インド国内で WhatsApp の暗号化を Facebook に解除させた際にプラサード氏とその他の大臣は同様の論法を利用したことがある。)

VentureBeat は Apple、Google、Facebook、そして Amazon に本件に関してコメントを求めており、回答を得られたら更新する。Microsoft はコメントを差控えるとのことだ。

グローバルな問題

インド政府によるこの動きは、オーストラリア政府が世界で初めて同国内の通信サービス取扱に関して厳格なアプローチをとることを決めてからわずかの間に続くものだ。今月初め、オーストラリア国会は同国警察と治安機関に暗号プラットフォーム上のメッセージへのアクセス権限を与える法案を可決した。同政府は、テロリズムやその他の犯罪と闘うためにこの措置をとったと述べている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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