
Image Credit: Quadrant Protocol
6ヶ月のテスト期間とシンガポール情報通信メディア開発庁(IMDA)とのプロジェクトを経て、Quadrant Protocol は11月22日、イノベーションやデータ活用向けのデータを認証するブロックチェーン対応プロトコルをローンチした。プロトコルは日用消費財(FMCG)関連企業や政府、金融会社からスタートアップや中小企業といった官民の両方をユーザに見込んで公式に公開されている。
Quadrant Protocol は企業が購入して使用するデータに独自の署名でマークをつけるブロックチェーンを使ってデータを認証する技術を開発している。これによってユーザは常に情報を把握し、データの変更、複製、改ざんがあった場合にその発生源まで突き止めることができる。
特別にマークされたデータはマークが付けられた時点で「正しいと証明された」データになるので、この仕組みはユーザに透明性とさらなる責任を与えることになる。
この技術の目的は、データの正確性に保証がないにもかかわらず企業が何百万米ドルというお金をつぎ込む状況となっているデータエコノミーに透明性をもたらすことである。
Quadrant Protocol の設立者で CEO の Mike Davie 氏は次のように語る。
グローバルなデータエコノミーというのはエンドユーザに届くまでにデータの売買をする仲介者が何層にも重なって成り立っています。もはや多くのこうした仲介者がデータのソースを隠し、データがどこから来たものなのか、改ざんされたものなのか、誇張されたものなのか、複製されたものなのか判断できない状況となっています。Quadrant Protocol はデータがどこからのもので、誰が生み出し、また変更されているのかどうかを知ることのできる方法を確立しました。
メインネットでは Quadrant Protocol は異なるデータソースをマッピングし、イノベーションを急進させ、新たなデータ製品の創造を可能にする。さらにこのプロトコルでは、ユーザは現行の巨大なデータ生産元を避け、より多くのソースから正確なデータを購入することも可能になる。
同社を運営するのは Quadrant.io である。2018年7月のイニシャルコインオファリング(ICO)ではマレーシアの Coin Capital や香港の Zeroth.AI、スイスの Block0をはじめとする30以上の支援者からプライベートトークンセールで1,550万米ドルを調達した。
Quadrant.io のプラットフォームは AI・マイクロサービスを導入するためシンガポールの情報通信メディア開発庁(IMDA)と共同で開発され、2019年に本格始動するとされているデータを使ったソリューションを起業家が開発することを可能にする。
Davie氏はこのように語る。
エンジニアやデータサイエンティスト、デベロッパーからなるチームの拡大を計画しています。起業家や企業が正しいデータを使って新しい製品を作れるようにするため、共に働いてくださる提携機関も募集しています。
コーヒーを購入した場所や配車アプリを利用した場所、公共交通機関を利用した場所といったものから毎日生み出される合計250京バイトの匿名データが Quadrant Protocol に集約され、署名付きでマークされ、エンドユーザに利用されるようになる。
この毎日生成されるデータが飲食系企業から保険会社、政府、FMCG のグローバル企業といったデータとその分析を頼りにしている機関に売られ、事業や方針の決定に利用される。
Quadrant Protocol は、企業や政府が直面するデータの問題をピンポイントで突き止める Quadrant.io の一部を成し、データソーシングプラットフォームとデータ認証技術でソリューションを提供している。
同社によれば Quadrant Protocol は2018年5月に開始したテストネット段階において位置データの生産者やユーザに幅広く利用されているという。メインネットに入った現在はすべての機関においてプロトコルが利用可能となっている。
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