【最終回】隠れたキーマンを調べるお総集編(2)ーーLIPS松井さん、ミクシィ奥田氏、dely大竹氏など36名のキーマンを振り返る

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編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。今回のまとめで最終回。(前編はこちら)

編集後記(大柴さんから):2014年春、僕がEast Venturesに加わったちょうどその頃、平野さんから「ナンバー2を訪問して話を聞く『調べるお放浪記』みたいのをやりたい」と打診を受けて始まったのが『隠れたキーマン』シリーズです。「起業家を支える影の存在」にもスポットを当てたいという平野さんの想いと、僕のこれまでのキャリアが合致して生まれました。

僕はインタビューをした経験もないですし、それを記事化した経験もない状態でした。取材相手と会話をしながら、パソコンにメモを打ち込み、取材後にメモを見ながら記事にするという作業は結構大変で、後に「取材の時は録音し、それを聞きながら記事に起こしていくのが普通」ということを知ったのですが、結局その後もずっと録音無しのスタイルで連載を続けていました。

取材で気をつけたことは、とにかく相手の話を引き出すことです。記事の中で僕のコメントに「なるほど」が多いんですが、相槌により会話のリズムを作り、相手の面白い話を引き出すように努めました。読者の方は僕の話を読みたいわけではなく、取材相手の話を読みたいわけです。たまにイベントなどでベラベラとしゃべるモデレーターの方がいますが、そういう風にはなりたくないなと強く心がけていました。

取材対象者の選定も結構考えました。取材対象者の決め方は「僕がこの人だと確信してピンポイントでお願いするケース」と「起業家や広報などから依頼を受けて決めるケース」の2つがありました。前者はともかく、後者の方は慎重に対応しないとただのPRになってしまいます。実際「会社として◯◯を推していきたいので、このキラキラ経歴の◯◯を取り上げてください」的な依頼もありました。

そういう場合はお断りしたり「この人は本当に隠れたキーマンなのか?他に真の隠れたキーマンがいるのではないか?」などを調べ、こちらから「◯◯さんはちょっとNGですが、●●さんならば取材してみたいです」と提案したりすることもありましたね。この辺のやりとりから「真の隠れたキーマン」を見分ける力がついてきたように思います。

長い連載期間だったこともあり、『隠れたキーマン』の認知度はそこそこ高いようで、更新が滞ってしまった最近でも「隠れたキーマン、楽しみです」「隠れたキーマンにいつか出たいです!」などの声をいただくこともあります。

まだまだベンチャーの世界には「隠れたキーマン」はたくさんいらっしゃいますし、これからもそういった方々にスポットを当て続けたいと僕も平野さんも考えていますが、一旦ここで仕切り直ししようということになりました(また復活するかもしれませんが)。

協力していただいた取材対象者、企業、起業家の皆さんにはご迷惑もおかけした部分もありますが、最後に改めて感謝の意を述べさせていただきたいと思います。また、全編に渡って協力いただいた平野さんにも合わせてお礼を申し上げたいと思います。もちろん、読者の皆さまも長い間ありがとうございました!宴もたけなわではございますが、この辺で〜(取材・執筆担当:大柴貴紀/@takanori1976

隠れたキーマンを調べるお・Vol19〜36(後半・降順)

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大柴さんコメント:今最も勢いのあるスタートアップの一つ、AppBrewの松井さん。非常に澄んで真っ直ぐな瞳が記憶に残ってます。天才的なエンジニア起業家である深澤雄太さんとの役割分担がうまくできてるなぁと感じてます。まだ若いしこれからどのように進化していくのか楽しみですね。

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大柴さんコメント:メディアなどでも注目されている「若手起業家の旗手」堀江裕介氏を創業時から支え続ける大竹さんです。なかなかサービスが当たらない中で苦悩する姿、近くから見る堀江さんの姿を聞けたんじゃないかなと思います。これこそ理想の「隠れたキーマン」「共同創業者」像なんじゃなかろうかと。

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大柴さんコメント:ミクシィグループの知人に「ミクシィの隠れたキーマンって誰ですかね?」と話してた際に何人かあがってきた候補の一人が奥田さんでした。言ってしまうと「一番地味」な人ではあったんですが、カスタマーサポートという光の当たりにくいポジションでありながら、社内の人から「キーマン」と見られているのが気になって取材したのを覚えてます。経歴的にはアグレッシブな感じなんですが、人当たりや思想は非常に穏健だし、そしてユーザーのことを本当に真摯に考えているんだなぁと感じさせられたのを記憶してます。ちなみに当時は「隠れて」いましたが、現在は取締役になられたのをみるとやはり彼は「キーマン」でしたね。

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