U30のITエンジニア育成コミュニティ「TechBowl」、XTech Venturesと中川綾太郎氏から数千万円を調達

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2018.12.7

XTech Ventures 西條晋一氏、TechBowl 小澤政生氏、XTech Ventures 波多江直彦氏

U30(30歳以下)の IT エンジニア育成コミュニティを運営する TechBowl(テックボウル)は7日、XTech Ventures と、ペロリの元代表取締役で個人投資家の中川綾太郎氏から資金調達を実施した。調達額は明らかにされていないが、関係者の情報を総合すると、数千万円程度と見られる。

TechBowl は、サイバーエージェント出身で同社の関西エリアの技術職採用を担当していた小澤政生氏が設立。今回調達した資金は、共にサービス立ち上げを担う仲間を採用し、プロダクトを開発するために充当する模様だ。ラウンドとしてはシードで、このフェイズでの外部調達はやや前のめり感はある。同社には Web サイトもまだ無いため、現時点での事業可能性は小澤氏が思いを綴った note に見出すより他ない。

IT エンジニアの育成、転職支援サービスはこれまでにも紹介してきたが、TechBowl が差別化しているのは、メンターが全員現役のエンジニアである点だという。テックスタートアップや IT 企業などでバリバリに働いているエンジニアが、TechBowl で育成を担当する。副業が解禁される風潮が追い風となり、彼らが本業で所属する企業からも理解が得られやすい環境が整ってきたようで、メンターはすでに50名集まっている。

また、いわゆる「非エンジニアが、エンジニアを目指してプログラミングを楽しもう」という育成プログラムが多い中で、 TechBowl ではもう一歩進んで「基礎知識はあるものの、実践的にサービスを作ってみたい人」を対象にするという。エンジニアが一定の知識を持ち実務経験を獲得したと判断されれば、TechBowl が就職先の企業を紹介する仕組みを目指しているようだ(許認可を必要とする、有料職業紹介事業の形式をとるのかどうかは不明)。

小澤氏は、THE BRIDGE とのインタビューで、若い人が IT エンジニアに職業に就く上で、これまでは説明会やインターンシップに参加するしか方法が無かった中で、地方にいながらにして開発経験を習得できる仕組みを確立したいと語った。現時点ではオンライン教材は存在せず、担当メンターが一人ずつオンライン面談した後、応募者を受け入れる体制をとっている。エンジニアの育成フェイズに応じて担当メンターが変わる可能性はあるが、教える側と教えられる側との関係性構築に重きを置いているようだ。

サイバーエージェントで7年間、採用関連の仕事をやっていたので、当時からの繋がりもあり、IT ベンチャーやメーカーからも(人材採用の)たくさん問い合わせをいただいている。15〜20社くらいからは、人のデータベースが溜まったら、ぜひ使いたいと言ってもらっている。

企業の担当者は毎年々々、エンジニアという少ないパイを奪い合うのに疲弊してきた。パイ自体を増やす仕組みを作らないと、問題が解決できないというのは、みんなが思ってきたこと。業界全体で IT エンジニアを増やしていこうっていうコンセプトが面白い、と TechBowl に大きな期待をしてもらっている。(小澤氏)

TechBowl は、アンバサダーという仕組みを構築しており、全国の大学などのエンジニアコミュニティ10団体(所属メンバーを合計すると概ね1,000人)と提携している。これらの組織とは共同でイベントを企画したり、東京から講師を派遣したりすることで、団体の所属メンバーのスキルアップやキャリア相談に乗る。また、これらのエンジニアコミュニティは TechBowl との提携を通じて、他のコミュニティとの人的往来や情報交換も期待しているという。

TechBowl への参加を希望するエンジニア、または、エンジニア志望者の応募には、現在のところ費用は発生しない。有料化の予定が明確にあるわけではないが、ビジネスモデルはこれから走りながら細かい部分を詰めるようだ。スキルや実績を積んだエンジニアが一定数に達した段階で、エンジニア採用を希望する企業を集めたマッチングイベントなどが、有望なマネタイズポイントになりそうだ。

今週初めには、やはりメンターシップを主軸に据えたエンジニアのキャリアサービスとして、 IT プロパートナーズが「Graspy」をローンチしている。

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