イスラエルのMobileye、来たる中国の自動運転公共交通サービスにプラットフォームを提供

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Mobileye の無人運転自動車の車内
Image Credit: Intel

Intel が2年前に153億米ドル相当の取引で買収したイスラエルのスタートアップ Mobileye は、542億3,000万米ドルの無人運転車市場に進出を続けている。ラスベガスで開催された CES 2019のカンファレンスに続いて、同社の自動運転車(AV)意思決定モデル Responsibility-Sensitive Safety(RSS)をフランスを拠点とする自動車技術企業 Valeo が全面的に受け入れていること、そして7月に RSS を自動運転車ソリューション Project Apollo に組み入れると確約していた Baidu が、その技術の初めての導入を報告していることを発表した。

また Mobileye は、中国の交通機関 Beijing Public Transport Corporation(北京公共交通集団)と AI 自動車システム統合企業 Beijing Beytai(北太智能)が中国における自動運転の営業用公共交通サービスの開発を進める上で同社の AV ソリューションが活用されるということも明らかにした。そのローンチは暫定的に2022年に予定されている。

Intel のシニアプリンシパルエンジニアであり Mobileye の自動運転車基準部門バイスプレジデントでもある Jack Weast 氏はこう述べた。

RSS が世界中のパートナーに受け入れられていることや、RSS ベースの安全基準への彼らの投資の意志は、自動運転車の安全な未来に対する彼らの真剣なコミットメントの現れです。

Valeo は報道陣に対して、Mobileye と協力して RSS ベースの「テクノロジーニュートラルで産業ドリブン」な安全基準を開発し、ヨーロッパや海外でのさらなる採用を目指すと語った。具体的には、無人運転車の展開や認可のための枠組みの立案を手伝い、Mobileye の RSS モデルに関連した基準や作業部会、そして公的研究の資金調達に向けた取り組みの起案に貢献する。

Beijing Public Transport Corporation と Beytai に関しては、彼らは商業サービスにおける自走運転技術の発展を目指す Mobileye の AV ソリューションを共同で開発していく。彼らは新たな業界基準、そしてバスやその他の公共交通における無人運転車技術の開発の促進に取り組む。

Mobileye のコンピュータビジョンプラットフォームにとってはこの上ない性能試験場と言えるかもしれない。プレスリリースで Intel の子会社である Mobileye は、Transport Corporation が世界最大級の都市交通機関であることを指摘した。

問題となっている Mobileye のサービスはレベル4の無人運転能力が確認されたソフトウェアとハードウェアのスタックで構成されており、つまり人間による限定的な入力や特定の状況下における監視で自動車を運転することができるということである。低電力でデータ処理を行うために特別に作られた Mobileye のシステムオンチップである第5世代 EyeQ で駆動するカメラやケーブル、モデム、GPS、その他の付加的な構成要素に加えて、Mobileye の RSS モデルの利点をすべて提供する。このモデルはオープンポリシーであり、無人運転車が下す判断に対して「常識的な」制約を課すものである。Mobileye のパートナーは同社が「超人的」な視野と反応速度だと称する独自の強化学習アルゴリズムにアクセスすることもできる。

この新たなベンチャーのニュースは、Mobileye がイギリスの行政機関や企業に高精度な位置情報を提供するためにイギリスの国立地図製作部署である Ordnance Survey と協力すると明らかにした後に流れた。2018年10月には、Mobileye はイスラエル初の無人運転ライドヘイリングサービスをローンチするために Volkswagen との取引に署名した。5月には同社は Mapbox とのコラボレーションも発表し、同社のソフトウェアを今年「ヨーロッパの主要自動車メーカー」の自動運転車に載せるとしていた。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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