Catapult Ventures、AIスタートアップ向けの5,500万米ドル規模シードファンドをローンチ

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Catapult Ventures の Darren Liccardo 氏(左)と Rouz Jazayeri 氏(右)
Image Credit: Catapult Ventures

人工知能(AI)はもはや SF の話ではない。もちろん一部の AI の使われ方にはまだ誇張も多い(本当に AI と呼んでいいのかどうかも)が、スマートスピーカークリスマスのショッピングリストのトップを飾り、商業用無人運転タクシーが稼働している中で、AI はかつてないほどに科学的な事実となっている。

そうした背景の下、AI や機械学習、自動化、ロボティクス、モノのインターネット(IoT)といった分野におけるアーリーステージ初期のスタートアップ向けに、新たなベンチャーキャピタル(VC)企業が2月14日5,500万米ドルのファンドと共に正式にローンチした。

Catapult Ventures は Intel の元幹部であり最近では Kleiner Perkins のパートナーだった Rouz Jazayeri 氏と、Tesla やドローン企業 DJI のエンジニアリングエグゼクティブだった Darren Liccardo 氏が考え実現させたものだ。実は Jazayeri 氏は Kleiner Perkins のポートフォリオ企業であった DJI を手伝って Liccardo 氏を Tesla から獲得し、その後2人は多数のプロジェクトで共に仕事をすることとなった。

最近 Liccardo 氏は AI 周辺への投資について Kleiner Perkins に助言していたが、これがきっかけとなって2人は Catapult Ventures を独自に立ち上げることになった。

オーバーサブスクライブ

この VC 企業のニュースが実際に流れたのは2018年1月、証券取引委員会の書類で新たな5,000万米ドルのファンドの計画が明らかになった時だったが、当時は分かっていることは多くはなかった。そして今最初の資金調達が正式に完了し、Catapult は詳細を明らかにしている。

まず、同ファンドの資金源は非常に多く、自動車業界、航空業界、IC チップや IoT といった業界の複数の企業、機関投資家やファミリーオフィスなどである。さらに、VentureBeat が受け取った声明によると、同ファンドの目標はシードステージやプレシードステージの企業をターゲットとし、「機関としては最初で、もっとも助けになり、もっとも影響力がある投資家」としての役割を果たすことであるとしている。

とは言え、まだ生まれて間もないため、Catapult が参加したシリーズ A ラウンドの企業は数えるほどだ。3,500万米ドルのシリーズ A ラウンドを終了させたステルス衛星のスタートアップ SpinLaunch、1,200万米ドルを調達した Xnor.ai という開発者向けのセルフサービスの AI プラットフォーム、そして無人運転トラックのスタートアップ Starsky Robotics の昨年3月のシリーズ A ラウンド1,650万米ドルである。

しかしこれらは外れ値であり、Catapult のファーストクローズにおける初期のローンチ段階の一部である。

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Starsky Robotics

Jazayeri 氏は VentureBeat にこう語った。

弊社のファーストクローズのかなり前からこれら3社のことは知っていました。もし当時弊社がすでにあれば、この3社すべてのシードラウンドへの投資を弊社がリード(または共同でリード)していたことでしょう。ファーストクローズ後も弊社はこの3つのチームに強い確信を抱いていたため、シリーズ A の素晴らしい投資家たちと共に少額を投資しました。この戦略により、3つの初期投資が弊社の後半の資金調達できわめて助けとなり、弊社ファンドは弾みがつきました。

この先 Catapult はプレシリーズ A の資金提供に非常に注力するつもりであり、これまでに全部で7社のスタートアップに投資を行っている。

さらに、企業が上手くいけば追加で資金提供を続けるためにも使われる、別の LP(リミテッドパートナー)運用資産もあると Jazayeri 氏は述べた。

弊社と同じビジョンを共有する協力的な LP のグループを見つけることができ、非常に幸運です。この協力の一環として、LP の多くは弊社が支援する企業の継続的な投資家となる可能性がありますし、実際にそうなってくれることでしょう。

Catapult の戦略は2本柱となっている。複数の産業に適用できる横断的で「核心的」な AI 技術を作っている企業に対し、できるだけ早い段階で接触するということと、そういった企業に投資するということである。ここで述べているのはセンサーや AI アルゴリズム、そして「次世代の演算アーキテクチャ」などのようなものだ。

Jazayeri 氏はこう続ける。

大きなマーケットポテンシャルを持つイノベーティブな企業を最初に見つけ出し、会社を作り上げていく初期段階を通じて上手く導くことが弊社の使命です。

しかしながら、Catapult は製造業や農業技術、そして Starsky Robotics が証明するように、自動トラックのような、業界固有のハードウェアとソフトウェアを統合した技術にも投資していく。

私たちは極めて面白い時代にいます。技術開発が複数の核心的なハードウェアとソフトウェアのエンジニアリング領域を超えて交わり、それによって新たな方法でシステム思考を活用する機会が提示されているのです。

Liccardo 氏はこのように付け加えた。

フォーカス

今のところは、Catapult は完全に北米に注力することになるだろう。同社の「一緒に働く」投資家でありたいという意図が大きく影響している要因である。つまり、投資家がポートフォリオ企業と一緒に働きたいと考える場合、国際的なスタートアップへの投資につきものの課題があるのだ。

もちろん AI に注力するファンドは他にもある。2月第2週には Framework Venture Partners というカナダの新たな VC ファンドが1億1,500万米ドルを携えてローンチしたばかりだ。昨年だけでも AI 専用の複数のファンドが、AI のスーパースター Andrew Ng 氏QualcommMicronBase10 Partners などから誕生した。

2月14日の発表のタイミングにも注目すべきだ。AI のトレーニングや研究および奨励にもっと多くのリソースを割くよう連邦機関に課す American AI Initiative 設立の大統領令にトランプ大統領がサインをしたのと同じ週であるためである。

政府当局者はこう述べている。

AI は人々の生活のあらゆる面に触れるものです。このイニシアチブがやろうとしていることは、それらすべてを1つの傘下にまとめ、この技術の可能性をアメリカ人に示すことです。

AI がもたらす物に注目が集まる中、Catapult Ventures は最初のファンドから最大で25社のスタートアップに投資したいと考えている。自分の技術で正真正銘のアプリケーションを作っているスタートアップに、である。

Liccardo 氏はこう説明する。

弊社は、意義深く長期的な価値を作り上げる可能性が高く、実践的な展開戦略を持っている起業家や技術に狙いを定めた投資をしています。分野をまたいで横断的な思考ができ、競争的に優位性を持つものを作る起業家を弊社は探しているのです。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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