NTTドコモ、スタートアップ3社への出資・協業を発表——スペースマーケット、出張撮影のラブグラフ、ゲームストリーミングのHatchと

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今回新たに出資・協業することを明らかにしたスタートアップ3社を紹介する、
NTT ドコモ・ベンチャーズ代表取締役社長 稲川尚之氏
Image credit: Masaru Ikeda

NTT ドコモ・ベンチャーズは6日、都内で「NTT Docomo Ventures Day 2019」を開催。このイベントで、NTT ドコモはオープンイノベーションを念頭に置いた、スタートアップ3社への出資と協業を発表した。いずれの社に対する出資についても、NTT ドコモ単体からの出資額は明らかにされていない。

スペースマーケットとは、ドコモが配信するスポーツやライブ映像などのエンターテイメントコンテンツをスペースマーケットが運営するレンタルスペースにおいて、親しい仲間と共に楽しむ新しい体験型サービスの商用提供を目指すとしている。

協業での取り組みを紹介するスペースマーケット 代表取締役 CEO 重松大輔氏(左)と、
NTT ドコモスマートライフ推進部 スポーツ&ライブビジネス推進室長 馬場浩史氏(右)
Image credit: Masaru Ikeda

この協業の第一弾として、NTT ドコモとスペースマーケットは、エイベックスの協力を得て、2月17日に恵比寿ザ・ガーデンホールで開催される「moumoon」のライブの模様を東京2会場と大阪1会場で中継する。生配信と事後配信で視聴することができ、顧客は参加人数単位のチケット代とレンタルスペース代金を支払う仕組みだ。

なお、スペースマーケットは1月、シリーズ C ラウンドで複数社から約8.5億円の調達を発表しているが、この出資者の中にはドコモ・ベンチャーズは含まれていなかった(出資の実施は、それより以前の2018年12月27日とのこと)。

2018年に実施したスタートアップへの出資・協業事例を紹介する、
NTT ドコモ代表取締役社長 吉澤和弘氏
Image credit: Masaru Ikeda

ラブグラフへの出資は既報の通りだ。同社が提供する、カップルや家族、友達向けの出張写真撮影サービス「Lovegraph(ラブグラフ)」のターゲットが、ドコモの写真クラウドサービス「d フォト」のユーザ層と重なることから、昨年すでに潜在ユーザに撮影体験を身近に感じてもらえるキャンペーンを共同で実施してきたという。今回の出資を受けて、さらに協業関係を深めるとしている(2019年1月7日に出資)。

また、ドコモにとって初めて北欧圏のスタートアップへの出資も明らかにされた。フィンランドに拠点を置く Hatch Entertainment(以下、Hatch)は、ダウンロードする必要のないゲームのストリーミング再生を可能にする技術を提供している。音楽再生における Spotify、映画やドラマ再生における Netflix と同じく、ゲームの世界にもダウンロードしないで楽しめる体験が、来たる 5G 環境において求められるとの判断から出資・協業に至ったようだ(2019年2月4日に出資)。

協業によって実現するサービスやユーザ体験を説明する、
Hatch Entertainment Head of Marketing の Lassi Nummi 氏
Image credit: Masaru Ikeda

Hatch との業務提携により、日本のプレーヤーは d アカウントを使って Hatch のサイトにログインしゲームが楽しめるようになるほか、ドコモの映像コンテンツを再生できるセットトップボックス「ドコモテレビターミナル」にも対応する。これを記念して、2月15日〜17日、福岡国際センターで開催される e スポーツイベント「EVO Japan 2019」に体験コーナーが設置される予定だ。

なお、Hatch は Angry Birds で知られる Rovio Entertainment の子会社である。

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