Airbnbの会議室レンタル「Gaest」買収に見る新たなスペースシェア事業ーービジネス旅行客に提示する「宿泊場所+α」の魅力

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ニュースサマリー:Airbnbは1月25日、ミーティングスペースの短期間(時間・日)貸し借りプラットフォーム「Gaest」を買収したと発表した。2015年にデンマークにて創業したGaestはサービスを6大陸まで拡大しており、会議やワークショップ、写真撮影などを目的に場所の貸し借りができる。Gaestの基本的なシステムはAirbnbと同じで、ユーザー同士で取引を実施し、その手数料を徴収するモデル。

話題のポイント:Airbnbは「Airbnb for Work」と呼ばれる、ビジネストラベラー向けのサービス展開に近年力を入れています。

例えば2017年より始まったコワーキングスペース「WeWork」とのパートナーシップでは、Airbnb for Work利用者へ向けて、低額で1日利用パスが購入ができるようになりました。ビジネスパーソンにとっての「宿泊場所+α」な付加価値を提供し、プラットフォームのバリュー向上を目指しています。今回のGaest買収もこういった流れと大いに関係がありそうです。

例えばフリーランスなどの個人が出張した時、コワーキングスペースとしてWeWorkを利用するのはごく自然な流れです。しかし、守秘義務が強く求められるエンタープライズのような層にとっては、わざわざオープンな雰囲気のWeWorkをAirbnb for Workで利用する理由は薄くなります。

Gaestの提供する「個室」というミーティングスペースはそのギャップを埋めてくれます。つまり、Airbnbがビジネス層向けのユーザー満足度を高めるための一手として最適解だったと考えられるのです。

今まで「ただ安いだけなら普通のホテルでいいや」と考えていたビジネストラベラーに対し、Airbnbが提案した「宿泊場所+α」の付加価値は、今後のバケーションレンタルやスペースシェア事業を考える上で重要なポイントになるのではないでしょうか。「出張ならAirbnbがそりゃお得でしょ」と考えるのが世界共通になるのも近いかもしれませんね。

 

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