AI位置情報解析プラットフォーム開発のレイ・フロンティア、モビリティ分野への展開に向け三井物産から3億円を調達

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2019.2.14

写真左から:レイ・フロンティア代表取締役 田村建士氏、三井物産モビリティ第一本部 交通プロジェクト部部長 野瀬道広氏
Image credit: Rei Frontier

人工知能による位置情報分析プラットフォーム「SilentLog Analytics/SDK」を開発・提供するレイ・フロンティアは14日、三井物産(東証:8031)から3億円を調達したと発表した。これは戦略的提携関係を伴う出資で、レイ・フロンティアでは三井物産と共に、ユーザの行動特性に応じた各種モビリティサービスの提供、行動変容を通じた混雑緩和や新たな移動・行動の創出、複数交通手段のシームレスな連携など、モビリティを軸とした各種サービスの展開を図るとしている。

SilentLog Analytics は、顧客の位置情報を AI で分析し、今までになかった行動分析を可能にするマーケティングサービスだ。企業は顧客を知りたい、消費者は事業者に自分のことを知ってもらい最適な提案をしてほしい、と思っているが、現実にはオフラインで買い物したのと同じものを、オンラインでレコメンドされるというような問題が生じる。

このような問題を解決すべく、SilentLog Analytics ではユーザの同意を得た上で1日約4万人の行動データを取得している。スマートフォンに備わった GPS だけでなくセンサーを活用して、使用者の状態や社会属性を特定。1日3%の電力消費で情報収集を可能にし、レイ・フロンティアでは分析されたナレッジを保有している。これらにより、遊んでいる時には仕事の情報が届かない、仕事しているときには遊びの情報は届かない、など顧客通知やレコメンドの最適化を目指す。

レイ・フロンティアがイードと開発した「e燃費」アプリ
Image credit: Rei Frontier

SilentLog Analytics には、消費者が利用するアプリに SDK を提供するパブリックなケースと、企業ユーザが独自の用途で使っているプライベートなケースの2つがある。「うつのみや健康ポイント」のアプリとの連携、キムラユニティー(東証:9368)の「くるまぷり」と連携した運転挙動判定、鉄道会社や地方自治体による災害時の人々の移動傾向予測など、公開されているものだけでもユースケースは実に多彩だ。

三井物産のモビリティ第一本部は主に海外に鉄道会社や鉱山の輸送機能などのアセットを保有しており、レイ・フロンティアではモビリティ分野で成果が期待できると期待している。SilentAnalytics は、GDPR など情報取扱に関して厳しいコンプライアンスを求められる EU やイギリスにも展開しており、これら海外市場における設備投資に資金が必要となることも、今回資金調達を決めた理由の一つであると、レイ・フロンティア代表取締役の田村建士氏は語ってくれた。

レイ・フロンティアは、2017年には「東急アクセラレートプログラム」第3期に採択され、2018年には TIS が実施したスポーツ分野のアクセラレータプログラム「SPRING UP! for Sports」で最優秀賞を受賞している。同社は、2015年4月にアドウェイズ(東証:2489)とインクルージョン・ジャパン(ICJ)から(調達額非開示)、2016年8月にみずほキャピタルとイード(東証:6038)から(調達額非開示)、2016年にいわぎん事業創造キャピタルと環境エネルギー投資から1.4億円を資金調達している。

レイ・フロンティアの競合になりえるのは、ベルギーの Sentiance、イスラエルの Anagog、アメリカの SafeGraph、アメリカの Factual などだが、技術やデータ量などの点からドミナントを取れているプレーヤーはまだ存在しない。日本市場には、グローバル・ブレインの支援を受けたインド発のスタートアップ Near(進出時の名前は AdNear)が進出している。

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