2019年は「D2C」買収が進むーーM&Aを経験した若き経営者が語る「買収を選択したワケ」/アラン・プロダクツ代表、花房さん(リレーインタビュー)

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本稿は朝日メディアラボベンチャーズによる寄稿。運営するスタートアップ支援プログラム「Asahi Media Accelerator Program」では、シードステージからアーリーステージのスタートアップ支援をおこなっている

スタートアップを語る上で避けて通れないのが「イグジット」です。未公開の株式を公開して幅広く市場流通させるIPOは誰もが目指すところですが、事業会社による「買収」という選択肢を取る企業もここ数年増えてきました。

(参考記事:国内スタートアップ買収件数、18年に過去最高 /2018年11月25日掲載・日経新聞)

この背景には様々な背景が考えられます。例えば事業規模としては株式公開レベルに到達しないと判断し、起業家の能力を期待して「人材買収(Acqui-hire)」する例もありますし、成長株を積極的に子会社にしてインキュベーション速度を上げようという例もあります。

2018年にヤフーが子会社化したレシピ動画「kurashiru(クラシル)」運営のdelyは、評価額314億円という大型案件ながら、創業者はこの時点で保有する株式を売却していません。また2017年で最大規模の買収劇となったKDDIによるソラコム子会社化も、さらに大きなグローバル市場を見据えての判断でした。

本稿では1月29日開催「Asahi Media Accelerator 2019 デモデイ&カンファレンス」に登壇し、スタートアップのM&AとPMIのリアルについて語ってくれた若手経営者3名をリレー形式で繋ぎます。M&Aで大企業入りしたそれぞれが考える「これからの時代のM&A」とは。

トップバッターはアラン・プロダクツ代表取締役CEO、花房弘也さんからです。(太字の質問は全て筆者。回答は花房氏)

花房さんは2014年創業ですが、おおよそ2年半ほどの2016年9月にはユナイテッドに約13.5億円の評価額で買収されています。早い段階で子会社化を選択した理由は

花房:事業としての成長や、経営者としての成長が最短最速で実現できる選択肢だと考えたからです。

成長企業(スタートアップ)が大企業に買収される際に気を配るべきポイントは。また、花房さんは買収を経て、現在はユナイテッドの執行役員として、買収する側の顔もお持ちです。逆に、大企業が成長企業を買収する際、重視すべきポイントは

花房:企業売却はマーケティングと同じです。「誰が」「どれぐらいの金額で」買いたいと思うか考え抜くこと。また、その企業に売却をすることが事業成長において最大化の選択肢として本当に正しいのか、熟考すること。

もちろん人の要素も重要です。買収する企業の経営トップと広義での経営スタイル的な相性が合うかどうか。そこの見極めも大切なポイントだと思います。逆も同様です。買収候補企業が自社の事業戦略上、本当に必要なピースなのか考えることですよね。

2017年から18年にかけてスタートアップの買収は数字としては増加傾向にあるようです。今後はどの分野に注目していますか

花房:D2C(Direct to Consumer)分野です。IPOで突き抜けるほどのアップセルが見出せない売り手は、セルアウトモチベーションが高まっていくのではないでしょうか。一方で買い手となる企業は、この業界の相対的にしっかりとP/LメイクされているD2C事業に魅力を感じる可能性は高いと睨んでます。個人的には運に依存しない再現性のある事業創造の方法論を確立したいですね。

ありがとうございました。では次の方にバトンをお渡しします。

 

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