京大発・新素材ベンチャー3社に期待ーーJapan Venture Awards受賞者が注目する「テックトレンド」/FLOSFIA 人羅氏(リレーインタビュー)

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編集部注:本稿は中小企業基盤整備機構主催のイベント「Japan Venture Awards(JVA)」による寄稿。18回目となる2019年の受賞者が発表されている

中小企業基盤整備機構では、毎年、起業家や支援者称揚するアワード「Japan Venture Awards(JVA)」を開催しております。18回目となる今回は184件の応募があり、起業家・投資家10名をノミネートさせていただきました。受賞された方々は。こちらでもレポート頂いております。

さて、本稿では今回受賞された起業家の方々と協力し、今のテック・スタートアップのトレンドをまとめてみました。受賞者の彼らがどのような視点を持っているのか、今後の事業参考になれば幸いです。トップバッターは経済産業大臣賞を受賞されたFLOSFIA代表取締役社長の 人羅俊実(ひとらとしみ)氏です。(太字は全て筆者による質問、回答は人羅氏)

relay_ogp_FLOSFIA_02.pngまずは受賞おめでとうございます。人羅さんは研究者としての顔もお持ちですが、半導体でスタートアップしようとしたのはどういう経緯からだったのですか

人羅:元々学生時代はバイオ研究をしていたのですが、偶然、京都大学が発見した半導体に出会ったのが事業化のきっかけです。世界に先駆けて酸化ガリウムデバイスを開発し、従来比最大9割の電力損失低減に成功したんです。

現在は最初の商品であるダイオードの量産準備中で、特許出願数は300件を超えています。ロボットの駆動回路や電気自動車をはじめ、エアコンや冷蔵庫などの白物家電、太陽電池のパワーコンディショナなど、さまざまな電力変換器への搭載目指しています。

日本国内もそうですが情報産業、つまりインターネット関連のビジネスでスタートアップされる方が多いので、材料や素材の分野は新鮮です。人羅さんの目で注目するテクノロジートレンドはどのようなものでしょうか

人羅:やはり新材料・新素材を応用するベンチャーに注目しています。従来は、ベンチャーが手がけるには事業化まで時間もかかるしお金もかかるし、出口商品までつなげる企業活動を行うのが難しい面がありました。

確かにバイオや創薬、材料、ハードウェアなどのテクノロジー分野は情報通信に比較して事業化に「重い」イメージがありますね

人羅:しかしそのインターネットの普及も大きく貢献してくれていますよ。

あらゆる領域に浸透している水平分業体制や、周辺技術情報へのアクセスが容易になったことで、こういった新材料などの分野でもベンチャーが事業化するにあたって優位性を発揮できるようになってきたと感じています。

大資本に対して優位性を感じるところはどこにありますか

人羅:ベンチャーは大企業が手がけるよりも早いタイミングで、市場性が十分に検証できないうちに研究開発をスタートできますよね。なので大企業が気づいたときには、優位なポジションを持つことができると理解しています。

一方、大企業から見ると、手ごろな事業・技術に育ってきたタイミングで、ベンチャーとのアライアンスが進められますから、リスクを下げて参入することも可能です。Win-Winの関係を築くことが大きなトレンドになると思っています。

具体的に注目している企業は

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人羅:スタートアップ全体の数と比較すると、圧倒的に数は少ないですが、存在感がある企業が多いと感じています。TBMやSpiberは社会を変える存在としてとても注目されていますよね。

紙や糸といった素材に「環境」や「社会貢献」などのキーワードが重なって話題になっている例ですね

人羅:新しいベンチャーもどんどん生まれていて、同じ京大発ベンチャーでは、ティエムファクトリ、Atomis、エネコートテクノロジーズはこれからどんどん注目されていくと予想しています。

人羅さんが偶然出会った半導体のような、事業チャンスの「元」となる素材たちですね

人羅:もちろんFLOSFIAもこの領域で成長・成功していきたいと考えています。いずれのベンチャーも、上流工程だけを手掛けるのではなく下流工程にも果敢に挑戦し、応用商品開発に挑戦しています。こういう事業領域はシリコンバレー中心の競争環境とは離れたところで事業を推進できますので、日本のベンチャー企業が世界で競争していくことのできる領域ではないでしょうか。

ありがとうございました 。バトンを次の受賞者にお渡しします。

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