「採用スライド」で応募者は5倍増、給与が低いという噂が消えたーーSmartHRが採用スライドの公開結果を公表

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資料:宮田昇始のブログより

スタートアップ(というより成長企業全般)における大きな関心事、それが「採用」です。特にアップ・ダウンサイドの幅が大きなスタートアップにとって、安定した仕事を提供できる大手企業を蹴ってまで優秀な人たちに参加してもらうには相応のテクニックが必要になります。

そこで最近話題になった手法が「採用スライド」です。大型調達に成功したゲーム実況のミラティブが公開した「採用候補者様への手紙」は内容も含めて参考になる部分が多かったのでこのような記事で共有いたしました。

<参考>

記事の最後にもある通り、この原案というか元になったのがこちらも飛ぶ鳥落とす勢いの労務クラウド「SmartHR」が公開した面接用スライドになります。

で、今日、同社代表取締役の宮田昇始さんがこのスライドを公表した結果をブログでお知らせていました。詳細はそちらに譲るとして、主な情報をまとめると次の通り。

  • 応募数は『5.3倍』に増加
  • 会社紹介が『24万回』も見られている
  • マッチしそうな応募が増え、ミスマッチしそうな応募は減った
  • 説明のブレが減り、説明コストが下がった

考察にも書いたのですが、ここで最も重要かつ再現性が感じられるのが「説明コストの軽減」です。

確かにSmartHRのこのオープンな内容は彼らのスタートアップとしての成長性やビジネスモデル、また、何よりもカルチャーが影響していると思います。これは長年彼らが積み上げてきたものの結果であり、宮田さんも次回のブログ予告に「スライド公開はそんなに甘くない」としている通り、簡単に誰でも再現できるものではないと思います。

一方で、こうやって何が会社としてのゴールなのか、働く人たちの権利はどうなっているのか、役割はどういうものなのかを「端的に」まとめることで説明する側、される側の共通情報量は格段に上がります。採用広報として社員インタビューも増えましたが、雰囲気を伝える役割企業としてのポイントを理解してもらうコンテンツはやはり分けるべきでしょう。スタートアップの採用広報、PRとして最も重要な「時間を稼ぐ」ことは、企業側だけでなく関係する相手も含めて考えることがやはり親切です。

企業としての内容を真似ることはできなくとも、このフォーマットは多くの人たちを幸せにしてくれるのではないでしょうか。作成にあたっての苦労話については次回のブログに掲載されるということなのでそちらも期待したいと思います。

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