瞑想分野のユニコーンスタートアップCalm、10億ドルのバリュエーションで8,800万米ドルを調達

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Calm 創業者の Alex Tew 氏と Michael Acton Smith 氏

瞑想とメンタルヘルスに特化したスタートアップの Calm は、TPG Growth がリードするシリーズ B ラウンドで8,800万米ドルを調達した。このラウンドには他にも Insight Venture Partners、ハリウッド俳優 Ashton Kutcher 氏の Sound Ventures、Creative Artists Agency(CAA)も参加した。

今回のラウンドで Calm の合計調達額は1億1,500万米ドルを達成し、サンフランシスコを拠点とする同社は名高いユニコーン企業の仲間入りを果たした。現在の同社の評価額はちょうど10億米ドルである。

共同設立者で共同 CEO の Alex Tew 氏はこう語る。

今回の資金調達により国際的な成長とコンテンツへの追加投資を最優先にすることで、私たちの世界をより健康で幸せにするというミッションは加速していくでしょう。

Calm のアプリ「Meditate」

人気を博した Mind Candy の Moshi Monsters のクリエイターである Michael Acton Smith 氏と、Million Dollar Homepage に携わった Tew 氏によって2012年に設立した Calm は、ここ最近ベンチャーキャピタルの注目を集める数多くのマインドフルネススタートアップの1社となった。昨年だけ見ても、モチベーションを上げてくれるメッセージアプリを開発した Shine は500万米ドルを調達し、Simple Habit は〝一口サイズ〟の瞑想計画オーディオで1,000万米ドル、BioBeats はストレス対策の瞑想と呼吸法で300万米ドルを手にしている。その他にもこの業界で注目すべきは Headspace で、同社は数多くのVCから資金を調達している

Calm のサブスクリプションサービスは年間プランで毎月5米ドルの料金設定で、不安やうつ、不眠症を解消するための合計100時間以上におよぶ様々な音声プログラムが用意されている。

今回の投資ラウンドは Calm がシリーズ A ラウンドで2,700万米ドルを調達してから1年もたたないうちに行われ、9月にはドイツ語版のローンチにより初のグローバル進出を果たした。これと同時に、アメリカン航空との提携も発表し、同社の機内娯楽サービスに瞑想のコンテンツを導入した。他にも Uber のような有名企業と提携を行っている。

Calm はここ数年で利益を出しているだけでなく、現在、世界初のメンタルヘルス関連のユニコーン企業であることが証明された。同社の社員が50人しかいないことを考えると、これはかなりの偉業である。しかしこの成長は時代の流れを映しているのかもしれない。瞑想業界は米国内だけでも10億米ドル以上の価値を持つといわれており、広義のウェルネス分野は Global Wellness Institute によれば数兆米ドルにもなるとされている。

Acton Smith 氏は次のように付け加えた。

Calm は瞑想アプリからスタートしましたが、まったくそれ以上の企業になりました。

私たちのビジョンは、21世紀で一番価値と意味のあるブランドを作り上げるというものです。健康やウェルネスは4兆米ドルの産業なので、この急成長中の重要分野におけるリーディングカンパニーを作ることができる大きなチャンスがあると信じています。

同社は2018年に収入が4倍になったこと、年次収益率に基づくとこのままいけば年間1億5,000万米ドルの収益になることにも言及した。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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