家入一真さんが連続ツイートでスタートアップする際のファイナンスについて警鐘というか、アドバイスをしていたのでそれに合わせて。思ったのは次の3つ。
- 基本的な手法(株や融資)を学ぶ・体験する
- 事業とファイナンスの相性は「経済圏」で判断
- 信頼できる人に相談する
外部に株主ができると言うこと、外からのお金を受け入れると言うことを気軽に考えてファイナンスした結果、後々プレッシャーに潰されたり、メンタル病んだりしてるケースが多い、それは見ていて辛い
— 家入一真 (@hbkr) March 6, 2019
ファイナンスは筆者も2010年ごろの独立を境に経験しました。当時、フリーランスだった私はこの先、就職するにしても、自分でやっていくにあたってもとにかくお金の知識がない。融資(デット)や株式(エクイティ)の扱いどころか、PL/BSの知識もほぼなし。
起業がカジュアルになるのも、個人投資家が増えてそこに流れるお金が増えるのも、チャレンジの選択肢が増えることは基本的には良いことだと思ってるが、資本主義の論理、投資家の論理を理解しないままファッションのようにファイナンスすること、それを煽ることは本当に恐ろしい。自戒・自省を込めて。
— 家入一真 (@hbkr) March 6, 2019
また家入さんの言葉にある「カジュアルな起業が増えてファッションのように調達する」ことを煽ってるかもしれないメディアが、全くノーリスク・ノー知識というのも嫌だったので、見よう見まねでスタートアップしてみることに。結果的に融資(政策金融公庫)や株式(普通、種類株)などでのファイナンス経験や、事業を売却するところまで機会をいただくことができました。
この経験などを通じて思うのはやはり、ファイナンスの種類と事業にはしっかりと相性があるということです。たまに融資と株の違いで返す・返さないの二元論みたいにして説明するケースを見ますが、これは本当にナンセンス。彼の言う「経済圏を選ぶ」というのが正しいと思います。
アクセルを踏むタイミングを見誤ると一気に崖に落ちて死ぬ。そのアクセルを踏むタイミングを見極められるまではファイナンスをすべきじゃ無いケースも多い。起業とは、ファイナンスとは、「崖から落ちながら飛行機を組み立ててるようなもの」とは名言だが、大抵は組み立てられないまま地面に衝突する
— 家入一真 (@hbkr) March 6, 2019
事業活動にはレバレッジの効くものとそうでないものがあります。例えば「記事を書く」という仕事があったとして、これは相当にレバレッジの効かない仕事(=労働集約的)で、「1」を仕入れて「1.5」の価値を生み「2」で売るような商売です。もし、ここの「1.5」の価値を仕入れそのままに10倍、20倍にできるテクノロジーやアイデアがあれば、そこには投資のチャンスが出てきます。
こういった革新的なアイデアにはやはり同じく、ファイナンスにもレバレッジを効かせることのできる種類株などを使うのが適当なんだと思います。劇薬を以って事業を急成長させる手法です。
一方、ゆっくりとひとりひとりの顔を見ながらケアが必要な社会的な活動があったとして、そこに劇薬を投入したらどうなるでしょうか。当然、しっかりとケアしなければならない対象はコスト増のカット要素となり、バランスが悪くなってしまいます。
これらはどっちがどうではなく、事業が存在している経済圏や理屈が違うのです。そこがはっきりしないままファイナンス(特に個人間)に進むのはトラブルの元になります。
起業するな、ファイナンスするな、と言ってる訳では無い。とにかく、死んだらダメだ、生き延びろ。見誤るな。焦るな。一か八かの賭けに出ることと、戦うべき勝負でリスクをとる事は、全くもって違う。
— 家入一真 (@hbkr) March 6, 2019
また、これらは経験したからこそ、予想できるようになったという面もあります。私自身、今から振り返ってやはりもっと上手くできただろうという場面は多々あります。信頼できる方にも相談しました。
ここで言えるのは、小さな失敗や怪我はもうどうしようもありません。しかし、彼の言うような「死なない」努力というのはできます。最も良い方法は彼のようにオープンに、情報の非対称性を悪用せず、真摯にアドバイスしてくれる経験者(ここ重要)を見つけることではないでしょうか。
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