北京の Jingxi Cultutal and Creative Park(京玺文化創意創新園)に控えめな2階建ての建物を有する中国の複合現実(MR)スタートアップ Seengene(悉見科技)は、近隣の中関村科技園区に所在するマイクロソフトやソニーなどの国際コングロマリットに追いつこうと励んでいる。 このスタートアップのオフィスを最近訪問した。CEO の Liu Yang(劉洋)氏と1人の同僚が…
北京のオフィスで、MR プラットフォームをテストする Seengene(悉見科技)の皆さん Image credit: Eduardo Baptista
北京の Jingxi Cultutal and Creative Park(京玺文化創意創新園)に控えめな2階建ての建物を有する中国の複合現実(MR)スタートアップ Seengene(悉見科技)は、近隣の中関村科技園区に所在するマイクロソフトやソニーなどの国際コングロマリットに追いつこうと励んでいる。
このスタートアップのオフィスを最近訪問した。CEO の Liu Yang(劉洋)氏と1人の同僚が、ハンドルを握るように iPad を振り回している。彼らは通常、飛行機操縦ゲームを使って MR 技術のテストを行っている。2人ともスクリーンを見つめながらオフィス空間をゆっくりと歩き回る。同僚たちは、2人の iPad がたとえ自分たちの顔や机に向けられていても気にも留めない様子だ。
拡張現実(AR)を超えて、こうしたゲームは現実の物理的世界に投影されるだけでなく、現実世界と交流するものだ。例えば Liu 氏がバーチャルフィギュアに机の上の物体を横切って歩かせようとしても、つっかえてしまう。単に、静止したバーチャル情報を現実世界にかぶせるというのではなく、MR は、バーチャル技術をユーザがコントロールすること、またユーザが現実世界内の変化に適応することを可能とする。
仮想現実と現実世界をスムーズにリアルタイムで交流させる複雑な技術の向上に資力を集中的に投入し、また、無理な実験をするよりも市場重視の技術応用に重点を置くことによって、Seengene は、北京拠点の VC 企業 Legend Star(連想之星)がリードした2018年8月のシリーズ A ラウンドで1,800万米ドルの資金を得た。
Seengene の仮想環境は物理的環境と完全に交流することができるが、これは、強力な 3D ポジショニングソフトウェアに基づくものだ。これこそ、中国国内の警備会社、100以上の観光地、Huawei(華為)や Xiaomi(小米)などのテクノロジーコングロマリットと同社が交わす数百万元規模の契約の技術的な要だ。
Seengene の成長可能性を最も明らかに示しているのは、XMAN の MR ヘッドセットが中国の e コマース市場に出たことだ。中国の e コマース市場は、コンサルティングファーム Forrester の報告書によれば、2022年には1兆8,000億米ドル規模に達すると見込まれており、これはアメリカの e コマース市場の予想額の2倍以上だ。
昨年、33歳の Liu 氏は、個々のロケーションに特化した MR アプリ制作のため、雲南省南西部の楚雄市と数百万元規模の契約にサインした。このアプリを使うと、ユーザは、普段なら(地元のイ族文化にちなんだとされる)法外な値段の商品を売るためだけに作られたような、トークン化した街の周辺環境と交流することができる。
この直近の資金調達は CapitalG(以前の Google Capital)、Microsoft、Qualcomm、Baidu(百度)など複数の有名企業が参加した1億1,000万米ドル規模のシリーズ D ラウンドを発表した2015年以来、サンフランシスコ拠点の同社にとって4年ぶりの外部からの資金調達である。プレスリリースによると、Cloudflare は創業以来、これまで3億3,000万米ドルを超える資金を調達したという。今回手に入れた資金は自社製品の拡大、世界進出の継続に充てられる予定だ。