カナダのコネクテッドカースタートアップMojio、シリーズBラウンドで4,000万米ドルを調達——車のデータのマネタイズを目指す

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Mojio

2020年までに2億台のコネクテッドカーが世界中の路上を走るようになると予測されているが、その数は2025年までにはアメリカ、ヨーロッパ、中国だけで5億台近くまで増加するとされている。これらのコネクテッドカーの大きな副産物の1つが、位置データ、診断データ、ドライバーの行動データといったさまざまなデータであり、無数のアプリケーションやサービスに大きな利益をもたらすチャンスとなる。

実際に、コネクテッドカーデータのマネタイズは10年以内に7,500億米ドル規模の産業へと成長するという報告もあり、すでに多数の企業がここから利益を得ようと乗り出している。そういった企業の1つである Mojio が2月20日、シリーズ B ラウンドで4,000万米ドルを確保したと発表した。同ラウンドをリードしたのは Kensington Capital で、この他に Amazon Alexa Fund、T-Mobile、Bosch、Relay Ventures、Deutsche Telekom Capital Partners、Assurant、Innogy Ventures、Iris Capital、Telus Ventures、Trend Forward、BDC IT Venture Fund が参加している。

2012年にカナダのバンクーバーで設立された Mojio は、モバイルキャリアおよび自動車メーカーと協力し、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせてどんなコネクテッドカーでも「隠されたデータをアンロック」している。実際に Mojio のプラットフォームは標準的な自動車であればどんな自動車でも、ホワイトラベルのプラグアンドプレイデバイスを介して「接続」を可能にする。デバイスは車両の OBD-II ポートに接続され、Deutsche Telekom、T-Mobile U.S.、Telus、その他6か国のキャリア6社を含む、様々なモバイルネットワークパートナーシップ経由でデプロイされる。

注目すべきは、Mojio が自社のハードウェアを実際に製造しているのではなく、ドングルの製造は ZTE といったサードパーティープロバイダに頼っているという点だ。キャリアは購入したハードウェアのコストを顧客側に回し、約10米ドルの月額料金を徴収するが、Mojio は自社のクラウドベースのソフトウェアプラットフォームの取り分をここから受け取る。

インサイト

ドングルはどんな車でも Wi-Fi 接続を可能にする。さらに自動車盗難時にトラッキングしたりドライバーが駐車場所を思い出すのを助けたりといった、位置情報を活用したサービスに活用できる GPS トラッカーにも対応する。加えて、ドングルは車の動きをトラッキングする加速度センサーも提供するため、自動的に衝突事故を検知したり、さらには衝突の程度を見極めたりすることもできる。GPS 経由で事故の発生場所を緊急通報センターに送信し、必要に応じて救急車を手配することも可能だ。

また Mojio は、エンジン関連の問題のトラッキングもサポートしているが、例えば自動車販売業者などのサードパーティーがこのデータを活用して顧客ロイヤルティアプリを開発したり、自動車メーカーが遠隔診断評価を行ったりすることも可能だ。また保険会社は、一部の行動データを利用し、速く加速しすぎたり急ブレーキをかけたりといったドライバーリスクを確立することができる。

他にもコネクテッドカーデータのマネタイズに向け乗り出している企業として、ミネソタに拠点を置く Zubie はベンチャーラウンドで少なくとも2,600万米ドルを調達しており、2月頭には BP といった大手企業からさらに資金を調達しているが金額は公開されていない。また、テルアビブを拠点とする Otonomo は4,000万米ドルを超える資金を調達しており、マーケットプレイスを効率的に一元化してコネクテッドカーやその他のソースからのデータをまとめ、そこから追加的な価値や有用情報を引き出している。

こういった事例は、モビリティに重点を置く企業が文字通り大量にあるデータから実用的なアイデアを生み出そうとする、より大規模な傾向の一環であるといえる。2月第3週、マッピングと位置情報を扱うプラットフォーム Here Technologies が、新たな機械学習研究所に2,800万米ドルを投じると発表した。同研究所は産業規模でジオロケーションデータの大量処理を行う。また Microsoft、TomTom、Moovit も2月第3週、多岐にわたるそれぞれの輸送データバンクのプーリングとインテリジェンスの処理を開始し、開発者がアプリにマルチモーダルなトランスポート(輸送)機能を組み込めるようにすると発表した。他にも、StreetLight Data が、アプリメーカーがユーザの位置情報に対し非特定化されたアクセスをリクエストできる SDK を提供する、Cuebiq というアグリゲータと協力体制を結んでいる。

以前 Mojio は約1,700万米ドルを調達しており、今回さらに4,000万米ドルを獲得したことで、今後は雇用と技術開発面を強化し、「Mojio の法人顧客の進化するニーズ」に応えると広報担当者は語っている。

もともと同ラウンドは、2017年にさかのぼり2,300万米ドル(3,000万カナダドル)という規模で発表されたが、どうやら同社は以降しばらくラウンドをオープンにしておくことにしたようだ。さらに注目すべきは投資を行った何社かの企業で、その大半は Mojio の顧客でもあり、今回のシリーズ B を非常に戦略的にとらえている。今回のラウンドの中心的存在であった Assurant は、すでにロードサイドアシスタンスの他、様々な車両保護サービスや保証延長サービスを提供しており、顧客車両からのリアルタイムでの正確なデータ収集を大いに役立てることだろう。

Mojio の CEO を務める Kenny Hawk 氏はプレスリリースで次のように語っている。

このような戦略的な投資は、私たちと投資者の緊密な関係と、彼らが当社の従業員、製品、そしてますます広がるコネクテッドライフへのビジョンに対して抱いている信頼を浮き彫りにしています。

この追加資金により、自動車のエコシステム全体をサポートするという努力を強化し、グローバルな運転者コミュニティによりスマートで、より安全で、より便利な車両所有エクスペリエンスを届けることができます。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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