Square、オフラインとオンラインのコマースの溝を埋めるためにWeeblyの買収を活用

SHARE:
sq-online-store-hardware.jpg
リニューアルされた Square Online Store
Image Credit: Square

単なるモバイル決済を超えたサービスを拡充している Square は、2つのオムニチャネル小売製品を刷新しようとしている。

Square と言えば、小売店がモバイル端末を使ってカード決済できる中核サービスが有名だが、サンフランシスコを本拠とする同社は現在、小規模事業の集約を目指しており、多くの小売関連分野参入している。その製品の1つが「Square Online Store」である。これはもともと2013年に Square Market としてローンチされたもので、小売店が基本的な e コマースストアをセットアップできる無料サービスだ。

Square とすでに取引のある小売店にとって、この Online Store は、オンラインに簡単に進出して多くの商品を販売するサービスとして機能した(決済を行うのは当然ながら Square)。だが実際には、初のオンライン店舗をローンチするのに誰でも使用できた。しかし Square Online Store サービスは単一ページしかなく、他の e コマースツールとの意味のある統合もできなかったことから、使用範囲が限られていた。

改良された Square Online Store では全体的に異なる機能が設けられ、今ではリアルタイム在庫へのアクセス、Instagram セールスとの統合、発送ラベル統合、店舗内受取サービス、Square ギフトカードのサポートができるようになった。とりわけ重要なのは、Square の店舗内 POS システム「Square POS」と同期されたことだ。

sq-online-store-UI.jpg
Square Online Store では、ユーザインターフェイスと機能が刷新された。

面白いことに、Square は現在、最新の Square Online Store を使ってレストランに照準を定め、店内だけでなくオンラインでも注文を受け付けられるようにしている。Caviar など、食品に特化した他のサービスを補完するようになるだろう。

生活のデザイン

今回のアップグレードでは、Square が2018年に行った大きな買収が注目されるようになった。人気のウェブサイトビルダー、ウェブホスティングサービス「Weebly」のことだ。オムニチャネルの取り組みの一環として、Square は Weebly を自社製品と統合する壮大な計画があったのは明らかだ。そして Square Online Store は3月20日、Weebly に完全統合された2つの製品のうちの1つになった。

Weebly と統合されたもう1つの製品は「Square for Retail」である。これは Square が2017年に小売店向けにローンチした専用 POS プラットフォームだ。同社は3月20日、新たな機能を追加して Square for Retail をリニューアルしたと発表した。その機能には Weebly でウェブサイトを構築して自社の小売カタログを Square Online Store と接続するものがある。それにより小売店は、価格設定、在庫、あらゆる関連データを含めオンラインとオフラインですべてを同期できるようになった。

Square-for-retail-4.jpg
Square for Retail

すでにオフラインとオンラインで販売をしている小売店の点を結ぶだけでなく、従来型の小売店が使いやすいウェブサイトビルディングツールを使用してウェブ上で店舗をセットアップできるよう仕向けている点で、これは大きな意味のあるアップグレードだ。顧客にとっても、こうした統合がなされることにより、1つのウェブサイトでの注文と決済のほか、営業時間内に店舗で商品を引き取ることができるようになる。

対人、オンライン、アプリ内を問わず、あらゆるチャネルを使って販売者が購入者にリーチできることが重要です。

Square の e コマース部門を率いる David Rusenko 氏は話している。

以上は、小売店の行動をより強く把握できるようにする Square の取り組みとしては最新のものである。例えば Square は今年初め、エコシステム内で他の販売者に割引を提供することに加え、販売者が自己資金に即座にアクセスできる新型デビットカードをローンチした

いくらかお決まりの言葉を使って言えば、Square は小売店と顧客の双方にとってシームレスな体験を構築したい、ということだ。さらに重要なこととして、同社はあらゆる取引で一定の役割を担いたいのだ。販売拠点がオンラインであれオフラインであれ、同社はそのようにして収益を上げている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録