スパム電話撃退アプリ「Whoscall」運営、IPOに向け台湾の金融大手Cathay Financial Holdings(国泰金控)のPEファンドから資金調達

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Global Brain Alliance Forum でピッチする Gogolook(走著瞧)CEO Jeff Guo(郭建甫)氏
Image credit: Masaru Ikeda

<ピックアップ> 台灣新創 Whoscall 獲國泰注資 向 IPO 挺進

<2020年5月29日更新> ユーザ数に誤りがあったため訂正。

発信者ID通知アプリ「Whoscall」を開発する台湾のスタートアップ Gogolook(走著瞧)は17日、台湾の金融大手 Cathay Financial Holdings(国泰金融控股)の PE ファンド Cathay Sustainable(国泰永続私募股権基金)から資金調達したことを明らかにした。調達額は開示されていないが、Cathay Sustainable はこの取引で Gogolook 株式の持分30%を取得した。

Gogolook の共同創業者で CEO の Jeff Guo(郭建甫)氏は年初の計画発表で、詐欺防止に向けたサービスを開発し、体制強化と利益拡大を明らかにし、また、IPO についても語っていた。

Gogolook は2013年、LINE の親会社である NAVER により5億2,900万ニュー台湾ドル(約19.1億円)で買収された。昨年、3億4,500万ニュー台湾ドル(約12.5億円)を「テクノロジーやインターネット業界で活躍する著名な機関投資家ら」から調達している(一部報道では、3億5,100万ニュー台湾ドル=約12.7億円)。Kuo 氏は現在の株主構成を明らかにしていないが、さらに多くの出資者を集めようとしているようだ。

Whoscall
Image credit: Gogolook(走著瞧)

Gogolook は2012年、国立清華大学の卒業生3人によって設立された。Whoscall は見知らぬ発信者のIDを特定したり、迷惑電話をブロックしたりするだけでなく、小規模の会社向けに付加価値サービスも提供するアプリとなっている。同社によれば、現在のユーザ数は世界中に70万人7,000万人。主力の Whoscall に加え、高齢者向けの電話フィルタリングハードウェアデバイス「象卡來(シャンカーライ)」も開発している

全世界から集めた10億件に上る電話番号データベースが犯罪捜査にもつながるとの評価から、165全民防騙網(台湾刑事警察局運営の犯罪防止ホットライン)、香港警察、韓国金融監督院とも覚書を交わしている。Kuo 氏は資金調達がシリーズ B ラウンドから C ラウンドへと入りつつあることから、Gogolook のビジネスモデルが機能することが社会的に認められたと強調した。

Gogolook は台湾のほか、日本、アメリカ、香港、韓国、タイ、ブラジル、マレーシア、アメリカ、インド、インドネシアに進出している。2015年には、香港の同業競合アプリ「Studio KUMA Call Filter/Call Defender(小熊来電通知)」を買収している

via INSIDE

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