〝出張客のためのUber〟ことBlacklane、アジア太平洋地域のスタッフを倍増させる計画を明らかに

by Tech in Asia Tech in Asia on 2019.4.18

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今度あなたが空港への行き帰りの方法を比較検討するとき、ベルリン拠点の運転手サービス Blacklane を目にすることになるかもしれない。

近年アジア太平洋地域で急速に拡大している同社は、Jens Wohltorf 氏と Frank Steuer 氏が2011年9月に設立したものである。頻繁に出張していた2人は、地上の移動手段を確保するのは飛行機やホテルを予約するほど簡単ではないと考えていた。

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Photo credit: Blacklane

市場のこのギャップに対処するために、2人は最高級でありながら利用しやすい地上の移動手段を世界規模で提供するプラットフォームを作ることにした。やがて Wohltorf 氏と Steuer 氏は Blacklane をローンチし、一緒にビジネスを始めるという大学時代からの希望を実現させた。

それ以来 Blacklane は60か国300都市の500か所以上の空港でサービスを提供している。このプラットフォームを通じて同社は旅行客と世界中のプロの運転手ネットワークをつないでいる。

アジア太平洋地域では Blacklane のサービスは15か国にわたり84都市で利用することができる。東南アジアではインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、そしてベトナムに展開している。

専門の運転手による最高級の移動を安価に

Blacklane の重要な2つのサービスは、運転手付きの自動車と、ラウンジへのアクセスを含む空港コンシェルジュである。プラットフォームのユーザは Mercedes-Benz の S クラスや Audi 8、Chevrolet のサバーバン、トヨタのクラウンといった自動車を予約することができる。

環境にやさしい選択肢を求める旅行客の増加に伴い、2018年に Blacklane は運転手付きの Tesla 低排出自動車サービスを、プラットフォーム上ではグリーンクラスと分類し、導入した。

同社の APAC 地域ディレクター Lo Li-Wen 氏は、明確な数字は避けつつこう説明した。

Blacklane を始めたばかりの頃は、こういった移動手段を緊急に必要としていた出張客がもっと多かったのです。年月が過ぎるとともに、弊社の製品を体験した出張客は旅行や観光にも使い始めるようになりました。今では出張客と観光旅行客の割合は7:3となっています。

同氏は、Blacklane の運転手サービスのネットワークは配車サービスと競合するものではなく、むしろ補完するものであると付け加えた。

配車サービス企業は都市内部の近距離のモビリティに注力しています。そのため乗車距離の多くは数マイルですが、Blacklane の平均乗車距離は、都市にもよりますが、15マイルから25マイルです。配車サービス企業が得意とする都市は、Blacklane が得意とする都市でもあるのです。

Lo 氏は言う。

Blacklane は自身を旧来の空港送迎企業に代わる、より安価な代替選択肢と位置付けている。同社は旧来の空港送迎業者の運賃と同社の料金を同じ日時同じ都市で比較する世界的な調査を実施した

その結果は、Blacklane の平均運賃90米ドルは旧来の空港送迎運賃の平均194米ドルよりも54%安いというものだった。

ビジネスと収益モデルに関しては、Blacklane は配車サービス企業とは違ったアプローチをとっている。一般的に配車サービスは手数料を取り、時間と距離に基づいて運転手に支払う。しかし Blacklane の顧客はすべてが含まれた料金であるギャランティーを支払うため、目に見えないコストや追加料金などはない。

パートナーである運転手は逆ダッチオークション方式で乗車を受け付ける。顧客のすべての道のりや乗車の情報は適切な車種を持っている付近のパートナー運転手に提供される。価格は運転手が受け付けるまで上昇を続ける。Blacklane は乗客が支払う運賃と運転手の価格の差額を受け取る。

アジア太平洋地域における拡大

2017年までに Blacklane のプラットフォームは APAC の20都市で利用可能となっていた。この年、同社は初の海外子会社として Blacklane Asia Pacific をローンチした。

シンガポールに拠点を置くこの子会社は積極的に拡大を続け、120日を超えた頃には新たに64都市を追加していた。

1つの大きな難関は、運転手の企業に Blacklane に参加するのが得であると説得することだった。

弊社は彼らのビジネスを成長させたい、真のパートナーになりたいと思っているということを理解していただき、契約を結ぶことができました。

Lo 氏は回想する。

Blacklane はビジネス客に注力しているため、英語を話す運転手や車齢が数年以内の自動車、高い安全性や品質の水準を持つ企業とだけ協業している。

Blacklane は顧客が自動車のクラスを選択する際には、正確な自動車のタイプを表示している。待ち時間、荷物のスペース、チャイルドシートの可否、キャンセル規約といった詳細な情報が表示される。

将来的な計画

Blacklane はアジア太平洋地域内でも特に Shangri-La Hotels & Resorts、Hainan Airlines、Emirates と戦略的パートナーシップを結んできた。これらのタイアップには、頻繁に飛行機を利用する顧客やビジネスクラス乗客といった特別なゲストに、地上での移動手段を提供することも含まれている。

たとえば、Shangri-La のゲストは Blacklane で自動車を予約すると、アプリで自分の Golden Circle メンバー番号を入力しポイントを得ることができる。Emirates の飛行機の利用者は航空会社を通じて予約をし、これに関連する道のりの詳細が Blacklane と共有される。その後乗客は Emirates ブランドのピックアップサインを通じて運転手を確認したり、現地航空会社スタッフの手助けを受けたりすることができる。

しかしながら Blacklane はアプリを通じて直接なされる予約とサードパーティ経由でなされる予約の数に関して、詳細は明らかにしていない。

同社はリーチを伸ばそうとしているが、詳細に関しては口を閉ざしたままだ。

2019年の重要な目標は韓国へと拡大することですが、サービス開始の時期について明らかにすることはできません。現在注力している地理的な拡大は中東とアフリカですが、シンガポールとブリスベンのスタッフを増やそうとしています。

Lo 氏は付け加えた。

今のところ Blacklane は現在25名のアジア太平洋の人員を2倍以上にする計画を持っている。シンガポールにおけるアフィリエイトマネジメントやセールス、ならびにブリスベンにおけるカスタマーケアやその他運営関連のような重要なポストを埋める予定だ。

具体的なことは言えませんが、APAC 地域は力強く成長しています。前年比収益では2倍以上です。弊社はビジネスや新たな都市、ならびに製品開発という点において健全な成長に注力しています。

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運転手サービスを超えた一歩も踏み出している。昨年同社は1人当たり100米ドルで空港の中を素早く移動できるようにするコンシェルジュ、Blacklane Pass をローンチした。

パーソナルアシスタントが航空会社のゲート、ラウンジ、そして空港内の移動手段の間をエスコートします。彼らはセキュリティや入国管理の列まで案内し、ドアツードアで荷物のお手伝いをし、VAT 還付申請に同行し、そしてラウンジまでエスコートします。(Lo 氏)

ビジネスデータプラットフォーム Crunchbase によると、Blacklane は2011年から2018年までの8回の資金調達ラウンドを通じて8,250万米ドルを調達している。配車サービス大手との M&A は良い組み合わせのように思えるが、同社はそれを検討するだろうか?

Lo 氏は Blacklane が常に投資機会を歓迎していると言及しつつも、将来的な資金調達や M&A について具体的な情報は明かさなかった。

弊社は旅に安心をもたらすことに注力する長期的なビジネスを構築しています。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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