世界通貨基金(IMF)と世界銀行(World Bank)の「ブロックチェーンライク」な取り組みは何を意味するか

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ピックアップIMF and World Bank Launch Educational Blockchain Token 

ニュースサマリー:世界通貨基金(IMF)と世界銀行(Word Bank)がブロックチェーンの認知拡大や教育を目的としたブロックチェーン・トークン「Learning Coin(ラーニングコイン)」を立ち上げている。12日にFinancial Timesが報じた。

設立目的はあくまで機関内における知識レベルの向上としており、実践的な利用やパブリック・コンソーシアム型での運用までは述べられていない。機関内のシステムにプライベートブロックチェーンを用いて、あらゆるデータをブロックチェーン上で保管することで、知識・理解度の工場を目指す。ラーニングコインは投機面で価値を帯びることは無い。

IMFとWorld Bankは12日から14日にかけて、世界経済の現状とこれからを話し合う春季会合を開催していた。IMFにて専務理事を務めるラガルド氏は、デジタル通貨や暗号通貨(表現方法は様々)が伝統的な金融システムに大きく影響を与えるだろうとインタビューに答えている。

話題のポイント:「Crypto」という単語が世界的会合で飛び交うことが不思議ではなくなってきています。今回プライベートブロックチェーンの導入を発表したIMF・Word Bankですが、カンファレンス開催前日にはTwitter上にて以下の様なアンケートを実施していました。

「5年後、あなたはランチをどの様な手段で支払っていると思うか?」という内容ですが、約3万8000投票の内、半数以上の56%を獲得したのが「Cryptocurrency(暗号通貨)」といった結果になりました。

そもそもIMF・世界銀行がTwitterでアンケートを取るというのも一種の驚きですが、今回のアンケート結果を元にプライベートブロックチェーンの知識向上を目的とした、試験的導入が後押しされたのかもしれません。ただアンケートを取った場所がTwitter、クレジットカード(バンクカードはあるが)が選択肢にない点を顧慮するとやや偏りがある結果のように思えます。

いずれにせよ、暗号通貨に関して考えるときに忘れてならないのが、そこに生じるセキュリティー面です。特に金融機関が今後積極的にブロックチェーンを導入していくとなると重要度はさらに高まることが予想されます。

<参考記事>:ブロックチェーン・スマートコントラクト監査「Quantstamp」が日本市場を狙う理由【CEOリチャード・マー氏インタビュー】

Quantstampのような、ブロックチェーン監査スタートアップが世界的機関とタッグを組んでいく、そんな未来像も訪れそうです。IMFとWorld Bankの取り組み、ファーストインパクトこそ強いですが、具体的にどのような活動になるのか、定期的にフォローアップしていこうと思います。

 

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