新卒がスタートアップを選ぶ理由は「未来の自分への投資」、STARTUP2019新卒合同入社式イベントレポート

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本稿は2019年4月2日に都内で開催されたSTART-UP2019新卒合同入社式のレポート

2018年のスタートアップ投資額は過去最高と言われ、時代はスタートアップブームと囁かれています。学生がスタートアップ起業するのもよく目にするようになりました。(筆者は22歳でスタートアップ起業に入社しましたが、その頃から比べても10代スタートアップや東大生起業家という人々が増えてきたように思います)

資金や人材において、業界に新しい資源が集まりつつある中で「新卒のファーストキャリアにスタートアップを選ぶ」という動きも、また新しい流れのひとつなのではないでしょうか。

なぜ彼らは、新卒でファーストキャリアとしてスタートアップ企業への入社を選択したのか。今回は都内で開催されたSTART-UP2019新卒合同入社式のイベント内で取材しながら、紐解いていきたいと思います。

なお、同イベントには主催の岩崎由夏氏が代表を務めるYOUTRUSTをはじめ、HERP、CAMPFIRE、Mirrativなど28社と参加企業へ入社した新卒50名が参加しました。

スタートアップ新卒の30年、40年先の人生を描く

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(以下、太字部分は全て筆者の質問、回答は主催者の岩崎由夏氏および新卒入社した社員の皆さま)

ーーまずは岩崎さん、今回のイベントを開催した経緯をお伺いしたいのですが

岩崎:イベントを企画していたのではなく、弊社の新卒メンバーについてブログを執筆したのがきっかけでした。同期のいない彼女をみなさんへの紹介の気持ちで書いたのですが、たくさんの方に反響を頂きまして。

私自身、DeNAの新卒時に繋がった同期に起業後も救われることが多く、彼女にもそういった繋がりを作って欲しいという想いから、周囲のスタートアップ企業の皆さまと合同で入社式をすることになりました。

ーー今回、参加されている企業の方々は「新卒を迎え入れた会社」になると思うんですが、新卒に入社してもらえる会社の特徴ってあるんですか?

岩崎:今回の参加企業は、インターンで仕事をしていたメンバーを新卒で採用したケースがほとんどだと思います。インターンの学生メンバーを作業人員として考えず、一戦力として仕事を任せているのは特徴だと思います。

働いてみた上で内定を出している人が多いので、入社後のイメージが共有できた上で入社してはもらえていると思いますね。

ーースタートアップへ入社する新卒メンバー側のメリットってありますか?

担当する職種の領域だけでなく、全ての業務を経験させてもらえることですね。弊社はフルタイム3人目の社員が新卒メンバーという状況です。これから、という中で部署や分野問わず、仕事が経験できるのは大規模な企業と違うところだと思います。

新卒メンバーもブランド思考というより、「なんでもやらせてもらえること」を望んでいる人が多い気がします。

ーーぶっちゃけ、即戦力が求められるスタートアップが新卒を採用するのってどうなんですか

岩崎:スタートアップという一括りでは、様々なチームがあるので一概には言えないと思います。ただ、スタートアップ企業としては新卒メンバーはカルチャー浸透しやすく、エネルギッシュに頑張れる存在なので一緒に歩みやすい存在だと思います。

ーーたしかに急速に成長や変化していくスタートアップでは、エネルギー超重要ですもんね

岩崎:はい。ただ、新卒メンバーが入社をしてくれた後に成長させられるスタートアップ企業はどれくらいあるのか、という課題もあります。規模の大きな会社と違って、すぐに部署移動をさせるような社内調整がききにくい、新卒に対しての知見が溜まっていない環境である、という部分は難しいと思います。

お互いが共に歩む未来が見えにくくなる中で、うまく彼らを導いてあげることが必要なんです。彼らの30年、40年後の人生を考えたときに、「結局あのタイミングでスタートアップに入った人、良くなかったよね」という残念な結果にならないようにしたいです。

ーーなるほど。それが今回の取り組みに繋がる、と

岩崎:はい、今後は入社式だけでなく研修などもできれば、同期の繋がりに対してより肉付けしていけると思っています。プロジェクトが文化になっていけば良いですね。

各々で入社式をしているとロールモデルや見れる先輩も減ってしまいますし、そこに避けるリソースも限られますが、知見やノウハウを共有して協力していけば、良い環境を作っていけると思います。

スタートアップに新卒社員として入社する若者たち

実際に新卒でスタートアップに入社する人々にも「なぜ新卒でスタートアップへの入社を選んだのか」聞かせていただきました。

YOUTRUST 堀内菜央さん

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堀内菜央さん、早稲田大学人間科学部卒業。大学では心理学を専攻。

ーーなぜファーストキャリアとしてスタートアップを選んだのですか

堀内:入社したのは本当にたまたまでした。代表の岩崎が起業ブログを書いていて、それをTwitterで発見したのがYOUTRUSTとの出会いのきっかけです。

もともと就活の際は、中小企業以上の大手企業への就職を考えていました。

ーースタートアップを視野に入れていなかったのに入社したんですか?

堀内:親の目などは気にならなくはなかったですね……。でも、岩崎さんの考え方に本当に共感していたので、その想いで親を説得したら納得してくれました。

私はいままで働くのをお金を貯める、生活するためだと思っていたのですが、YOUTRUSTの人々に出会って初めて働くことが楽しいと思えるようになったんです。

ーー入社後のキャリアはどのように考えていますか?

堀内:YOUTRUSTを通じて量より質の採用を浸透させていきたいです。「1人に会って1人採用する」をより多くの企業が実現できるように、目標に向かって会社のみなさんと頑張っていきたいと思います。

ーー正直、スタートアップで環境が整っていなくて不安な部分などはありませんか?

堀内:整っていない部分などは感じませんね。逆に自由だな、と思います。岩崎からも良い意味で「決まりごとはない」と言われていて、やるべき仕事を見つけてやれる環境が魅力的だと感じています。

POL 大野雅志さん

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大野雅志さん、九州大学大学院 機械系院卒業。POLではイベント事業部責任者を担当。

ーーなぜファーストキャリアとしてスタートアップを選んだのですか

大野:「自分の人生の中で世の中に対するインパクトを最大化したい」という想いを持っていました。それで大手企業とスタートアップを比べた時、スタートアップの環境の方がインパクトを最大化できると思ったんです。

ーースタートアップに新卒で入社することに抵抗はありませんでしたか?

大野:正直めちゃめちゃびびってて。1年半、POLでリモートのインターンをしていたんですが、社員の人たちを見て「なぜこんなにきついことに挑戦し続けるんだろう」と不思議でした。でも、実際にその人たちの「未来を加速させる研究を加速させたい」という思いを直接聞いたら、自分も、という気持ちになったんです。

ーー今回の入社式のような取り組みに関してどう感じましたか?

大野:実は、自分は推薦で内定をもらっている企業があり、絶対に内定を辞退できない状況だったんです。でも自分の思いは、「世の中を良い方向に持っていけるこの環境は今しかない」という気持ちで。

関係者には迷惑をかけるが、その分社会に良いインパクトを与えようと決意しました。ここに来て、内定辞退をしたマイノリティかと思っていましたが、似た経験の人も多いと分かって安心できました。

Mirrativ 安西佑介さん

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安西佑介さん、東京大学文学部卒業。新卒1年目でCTOを超えるのが目標。

ーー安西さんはなぜファーストキャリアとしてスタートアップを選んだのですか

安西:就職する際に成長できる環境を求めていました。成長するためには近くにいる人が大切だと考え、少数精鋭で優秀な人の間近で働けるMirrativに入社を決めました。

ーースタートアップに新卒で入社することに抵抗はありませんでしたか?

安西:職種がエンジニアなので、スキルが身につくことが一番だと思いました。大手企業は人数も多いので、そこでのアップサイドもなく。逆に今のMirrativが成長して、上場したときに新卒第一号だった自分として、その役割を担えるようになりたいです。

ーー今年、CTOの技術を超えるのが目標ということですが

安西:はい。月次で目標設定をしているので、そのために必要なことを週次でクリアしていく。あとは周りのエンジニアに力を借りて達成していきます!

エバーセンス 伊藤哲宇さん

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伊藤哲宇さん、神戸大学経営学部卒業。

ーー伊藤さんはなぜファーストキャリアとしてスタートアップを選んだのですか

伊藤:もともと家族、社会的組織としての家族という領域に興味がありました。その中で働きやすく、最も自分の考えに近い企業がエバーセンスだったのでスタートアップを選んだという感覚はありません。

ーースタートアップへの就職に抵抗はありませんでしたか?

伊藤:なかったです。自分はむしろマイノリティが好きなタイプなので、みんなが選ぶ進路は楽しくないんです(笑)。

もちろん不安はあって、倒産しないか、働きすぎないかなどは気になりました。そこに対しては面談で全体の現状売上やキャッシュ、社員の平均給与などを細かく聞いたので、納得感を持って入社しています。

ーー今回の入社式のような機会をどう感じましたか?

伊藤:めちゃくちゃ嬉しいです。会社で自分1人だけが新卒で、代表に新卒をもう1人入れて欲しいとも言っていたんですが難しく。

7カ月、入社前にインターンをしていたんですが、学生は1人だったので他の社員メンバーを見て、自分が何もできないと苦しい時期もありました。同じ境遇で喜怒哀楽を共にできる仲間が欲かったので、今後も今日出会えた人と励ましあっていきたいです。

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CAMPFIRE代表取締役の家入一真氏による開会の挨拶にはじまり、自己紹介やグループワークといったコンテンツをまるで全員が同じ会社に入社するように実施されていました。

取材で「なぜ新卒でスタートアップを選択したのか」を紐解く中で、新卒メンバーたちはスタートアップが成長した未来に共感し、自分の人生という財産を投資している感覚があると感じました。

今後スタートアップに新卒が増加し、こういった動きが加速していくのか、またウォッチしていけたらと思います。取材にご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

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