「旅をしながら働く世界」を当たり前にーーワークシェアのタイミーが新サービス「ただ旅」のベータ版公開

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ワークシェアサービス「タイミー」を運営するタイミーが旅行業界へ進出だ。同社は23日、地方の労働力不足解消を目的に、新サービス「ただ旅」のβ版を公開した。

ただ旅は人手不足の観光地とそこに旅行したいユーザーをマッチングするプロジェクト。2泊3日から4泊5日の期間で提供され、ユーザーは様々な地域へ無料で旅に出ることが出来る。現在はテスト的な運用で、案件により特典の違いがある。

旅をしながら働く世界」がコンセプトの同サービスは、まずゴールデンウイークにかけてβ版を試験的に公開し、今年8月にアプリの正式リリースを迎える予定。

地方の「労働力不足」という地方における社会課題に対して「旅」をソリューションとして用いる同社。なぜ次の領域として旅行業界がそもそも浮かび上がったのだろう。タイミー代表取締役の小川嶺氏はこう語る。

一番初めにこのサービス形態を思いついたのは、「タイミー」を東京で立ち上げた際に、大阪から東京までバイトをしに来られているユーザーさんがいたことがきっかけでした。そこから『旅をしながら働く世界を作りたい』というユーザー目線のアイデアをくみ取り、上手く社会課題と絡めることが出来ないかと考えた結果、ただ旅のコンセプトを思いついたんです(小川氏)。

実際に運用しているサービスからユーザー需要を見つけ、さらに「地方の労働力不足」という社会課題を上手くマッチングさせることに可能性を見出した、ということだ。続けて同氏は「単発バイトのノウハウを活かして大阪や福岡、最終的には世界を旅しながら働けるサービスを目指していきたい」と話す。

今後は自治体と協力をしつつ「地方誘致」と「人手不足解決」という二つを大きな目標として活動していく。また、同社プレスリリースによれば、既に10を超える地方クライアントとの話し合いも進んでいる。今回、ゴールデンウイーク中に提供される”旅先”は「ホテルマウント志賀」と「志賀高原ホテル一望閣」の2つだ。

ホテルマウント志賀には、合計1名のみの募集、志賀高原ホテル一望閣には合計2名が募集されている。業務内容は、食堂でのホール配膳や室内の清掃やベットメイキングなどだが業務時間以外は普段の旅のように自由に過ごすことが可能。

もちろん「タイミー」という別事業を持ちつつの挑戦ではあるが、日本におけるトラベルスタートアップの一員として市場感をどう捉えているかを聞いた。

旅行系のテックサービスはじゃらんや楽天トラベルが圧倒的な売り上げを誇っていますが、これを築きあげるまでにかかった営業力やコストなどから考えると、中々スタートアップが気軽に参入できる市場ではないなと考えています。だからこそ、ただ旅は全く違う切り口から旅行市場に入り込んでいけたらと思っています(小川)。

「タイミー」本体事業自体も7月に大阪・京都、8月には福岡進出を予定するという同社。本事業の拡大と共に、地方×旅の組み合わせから繰り出される「ただ旅」とのシナジーに注目したい。

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