シンガポールのミレニアル女性向けメディア「Clozette」運営、クールジャパン機構から1,000万米ドルを調達——タイを皮切りに、世界進出へ

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Clozette の読者参加ティーパーティーで
Image credit: Clozette

シンガポールを拠点とする、女性をターゲットとしたソーシャルコンテンツマーケティング企業 Clozette は、シリーズ C ラウンドで日本の経済産業省に属する官民ファンド、クールジャパン機構から1,000万米ドルを調達したと発表した。クールジャパン機構は、クールジャパンの考え方をビジネスに融合しようとする事業にリスク資本を提供している。

Clozette は調達した資金を使って、同社独自のデータ・ドリブンなコンテンツおよび分析プラットフォームを拡大、まずはタイから国際展開を開始し、日本文化を新世代の消費者にもたらす「双方向性のあるクールジャパンエコシステム(仮訳)」を開発するとしている。

Clozette の CEO Roger Yuen 氏は、次のように語った。

我々は、本物のコンテンツを使ったマーケティングを行うというビジョンの可能性を確信している。コンテンツは王様だ。今日の消費者は広告をブロックしているが、自分で選んだプラットフォーム上では、これまでにない速度で消費している。そして直ちに、彼らは自分たちの経験に、より多くの信ぴょう性、双方向性、機動性を求めている。マーケッターは、世代間の認識の変化に追いつくため、メディア消費行動における、この極めて重要な変化を受け入れる必要がある。

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Clozette は2010年に設立され、当時、サイト上にカテゴリーとしての編集権が組み合わされた、ストーリーテリングの先駆者と言われた。キュレーションされたユーザ生成コンテンツは、東南アジアと日本にいる90人を超えるチームが管理している。Clozette のブランドコンテンツは、3,500人以上のクリエイターや才能によってオリジナル制作されたもので、彼らのフォロワーを集約した合計6億人超の人々にソーシャルリーチがあるとしている。

同社はこれまでに、Estee Lauder、資生堂、Zalora、Cahrles & Keith、P&G、Unilever、Johnson & Johnson、Omnicom Media Group などと協業してきた。同社は昨年の成長が、インドネシアの子会社によるものだと強調した。200%の成長を遂げたことから、これがタイムリーな今回のシリーズ C ラウンドの調達を実現させた。

クールジャパン機構の COO 兼 CIO 加藤有治氏は次のように述べている。

Clozette の DNA は、日本のファッション、美容、食べ物、旅行、ライフスタイルを世界中の消費者に広めたいという、クールジャパン機構のミッションと一致している。今回の投資の一部は、日本の実用的で購入もできるクールなコンテンツの発見を可能にする、多言語のクールジャパンエコシステムの開発に向けられる。Clozette が持つユニークなストーリーテリングの力と、才能のネットワークにより、東南アジアや世界の他の地域で日本文化の新世代のファンを魅了するだろう。

「双方向性のあるクールジャパンエコシステム」は、2019年6月にローンチする予定。

【via e27】 @E27co

【原文】

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