ECと共に成長する「返品市場」に挑むReturnly、PayPal創業者のMax Levchin氏などから1900万ドル調達

by Taishi Masubuchi Taishi Masubuchi on 2019.5.7

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ピックアップA Max Levchin-Backed Startup Raises $19 Million To Tackle Online Returns 

ニュースサマリー:返品管理ソフトウェア「Returnly」が4月17日、シリーズBにて1900万ドルの資金調達を発表した。同ラウンドはCraft Venturesがリードし、その他にもBonsai Ventures、SV Angel、TheVentureCity、PayPal創業者で著名投資家のMax Levchin氏も参加している。

同社は顧客が商品を返品するタイミングで、即時の払い戻しを可能にするサービスを展開。利用企業側は返品物トラッキングから、商品の補充までをプラットフォーム上で管理することできる。

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National Retail Federationの推定によると、米国では2017年の小売市場の返品総額が約3510億ドルに拡大したという。これは全体売り上げの約10%に相当する。

話題のポイント:アメリカのECにおける「返品市場」がEC市場の拡大と共に大きくなりつつあります。日本のEC市場に目を向けると、野村総合研究所(NRI)による試算で、2019年におけるEC市場は20兆5000億円に到達し、2025年には27兆円規模まで拡大するという予想(リンク先はPDF)がありました。

仮に同様の10%が日本にける「返品市場」とすると、約2兆円規模で、例えば「シェアリングエコノミー」市場が同じぐらいの経済規模という試算も出ています。

今まで返品というと直接店舗側と交渉・連絡のやり取りをしなければならず、カスタマーエクスペリエンス視点で無駄が多いポイントでした。Returnlyは、その面におけるソリューションとなる一方、店舗側にも「返品」を将来的な利益に繋げるチャンスを提供しています。

例えば、同社サービスは返品・返金の自動化以外にも商品のトラッキングとユーザーデータベースの作成等、顧客心理を分析するのに役立つデータを収集することが可能です。そのため、店舗側はそのデータを元に、多角的にユーザー心理・行動を追跡することが出来るようになります。

つまり、返品を一つ一つの「作業」という概念から、蓄積・可視化し分析可能な状態へと繋げる、これがReturnlyを導入することで生じる副産物となるのでしょう。

今まで、購買心理を活性化させるマーケティングや見せ方の工夫などはECの世界でも取り組まれてきました。では、結果的に「返品」を今後どう生かすべきなのか、に関してはある意味では無視されていた観点だったのかもしれません。

これから先、日用品も食品も衣類もECを通した購入が当たり前となったとき、この「返品市場」への需要も必然的に拡大するのではないでしょうか。

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