留学エージェントはもういらない!人工知能を用いた留学生特化のPaaS「ApplyBoard」が5500万ドル調達

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ピックアップApplyBoard Announces $55 Million Series B Funding

ニュースサマリー:北米を中心に留学生の入学手続きを支援する「ApplyBoard」は28日、シリーズBにて5500万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドをリードしたのはAnthos Capital。既存投資家のArtiman Venturesも参加した。

同社は、人工知能(AI)を用いて高等教育機関と留学生をマッチングさせるプラットフォームを運営するスタートアップ。昨年6月にはシリーズAにて1700万ドルを調達している。同社プラットフォームは現在、世界中誰でも利用でき米国とカナダの機関を選択するとこが可能だ。

話題のポイント:ApplyBoardの特徴は、現在煩雑となっている北米における入試手続きをAIを用いて簡潔化させている点にあります。留学生は同社プラットフォームを通して、成績や金銭的条件、学びたいコース等を入力するだけでパーソナライズされた機関を提示してくれます。

同社のブログによれば、シリーズA調達後ApplyBoardは売り上げが13倍に成長し、全体で見ると1200%の成長率を記録したと公開しています。また、2017年から2018において同社は10%ユーザー数を増加し、合計54万3977人の学生が同社プラットフォームを利用して高等教育機関へ進学したとしています。

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さて、大学間の交換留学やエージェントを通すと感じることはそこまでありませんが、例えば高校卒業と同時に自身で大学に留学手続きを進めようとすると様々な面で煩雑な手続きを通り抜けなければなりません。

筆者自身も体験者ですが、まず手続き開始時に大学側から求められるのは高校時代の成績書や卒業証明書などです。言語が同じであればそこまで問題ないのですが、もちろん米国の場合は英語ベースの書類を求められます。さらに公的書類を証明するために高校側から直接大学機関に書類を送付しなければならないケースも数多くあり非常に面倒です。

このように、言語的課題や書類作成を依頼する機関側に知識や前例がなく手続きをスムーズにそしてシームレスに進められないというのは、留学生が一歩目を踏み出しずらくなる共通の課題だったと感じます。

ApplyBoardは留学生のためのPaaS(Platform as a Service)で、このプラットフォームを用いれば、このような「仲介(者)」が発生する諸手続きを一つの場所にまとめることが可能になります。

留学に関する情報というのは、意外とこの時代でも収集するのが難しいのが現状です(だからこそ留学エージェントというのが存在しているのですが)。例えば米国であれば、同じ州の大学から、大学へはトランスファー(編入)が比較的他州からよりはしやすかったりするのですが、留学前にその情報を理解したうえで大学選定をするというのは難易度が高いと感じます。

信頼できる情報がまとまっており、さらにそのプラットフォーム一つでアプライまでシームレスに完結できるApplyBoardのような存在は、日本のこれからの教育にとっても重要なサービスになるのではないでしょうか。

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