52億円調達の「Drone Fund」に大手25社が集うワケーーエアモビリティ社会を目指す千葉氏・大前氏【インタビュー】

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Drone Fund共同創業者で代表パートナーの大前創希氏および千葉功太郎氏

ニュースサマリ:ドローン・エアモビリティ特化型のファンド「千葉道場ドローン部2号投資事業有限責任組合(通称:Drone Fund 2 号)」は5月7日、ファンドの資金調達および投資活動の状況を公表した。

ファンドの設立は2018年8月で、2018年1月に総額16億円を調達した1号ファンドに続くもの。「ドローン前提社会」「エアモビリティ社会」の実現を目指すスタートアップへの投資を実施し、ドローン企業と今回出資した大手企業のハブとしてビジネス発展の促進を狙う。

2号ファンドに出資したのは小橋工業、みずほ銀行、大和証券グループ、マブチモーター創業家一家、KDDI、西部ガス、GMOインターネット、オリックス、日本郵政キャピタル、電通、ゼンリン、エン・ジャパン、エイベックス、松竹、KSK Angel Fundなど25社。また、氏名非公開で個人投資家13名が参加していることも公表している。

本誌ではファンドを運営する共同創業者で代表パートナーの千葉功太郎氏および大前創希氏に詳しい話を聞いた(太字の質問は筆者)。

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ドローンファンドの反響について聞きたい。具体的な引き合いは

千葉:1号ファンドでは、約16億円の資金調達をさせて頂き、22社の投資をさせていただきました。現在、2号ファンドからは、7社の企業に投資をしております。

1号ファンドを加えると29社に投資を行っていますが、情報発信しているおかげか、週3〜4程度の国内外ドローン関連企業からお問い合わせをいただいています。世界全体でみるとまだまだ投資対象はあると考えていますし、国内は企業がこれからも新しく投資対象となりえる企業が誕生する可能性が高いと期待をしています。

具体的な投資対象としてどういった分野がある

大前:ドローンが産業として発展するための周辺技術、例えばバッテリーやモーター、回転翼といった主たる要素技術や、AIやUAS(Unmanned Aerial System)といったソフトウエア分野も、新たな企業の発掘を期待したい分野ですね。

これまでの出資先で特徴的な事例は

千葉:Drone Fund1号では、主に国内のドローンスタートアップに投資を実行しました。なかでも、ドローン機体開発と独自の機体制御技術に強みを持つ、自律制御システム研究所(ACSL)は、2018年12月21日にドローン専業銘柄では世界で初めて上場しました。また、「ホバーバイク」の開発を手掛けるA.L.I.Technologiesは、2019年3月25日に「Speeder(スピーダー)」の試験機の飛行デモを報道陣に公開し、大きな反響を受けました。

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2号ファンドはどのような企業に出資している

大前:国内外のドローン・エアモビリティ系のスタートアップに投資をしており、「空飛ぶ車」の機体開発を行うSkyDriveは「誰もが空を飛べる時代をつくる」というビジョンをもとに研究開発を進めております。29社目に投資を実行したAerodyne Groupは、アジアNO1のドローンソリューションカンパニーで、年間を通して4万回以上の圧倒的な飛行実績を有します。

話をファンドの出資者に変える。大手企業からの参画が多いが、各社はドローンについてどのような視点を持っている

千葉:ドローン産業への期待の結果が調達金額にも現れていると感じています。特に今回、事業会社のみなさまに多く参画いただいています。各事業さま、自分の領域と組み合わせてドローンで何ができるのかを考えられており、ドローンをビジネスを作っていくことに大変興味のある企業が多いように感じます。

また、ベンチャーキャピタルとして実績をだすことはもちろんですが、「ドローン産業を作る」という点でも期待をいただいています。Drone Fund2号のご案内をさせていただく際にDrone Fundへの出資は、「ドローン産業共創へのコミットメント」という形でとらえて頂きたいとお話させていただきました。

協業などの連携は

大前:LP様と投資先の協業においては、すでに投資先と機体の量産化に向けて業務提携を結んでいただきたLP様もいらっしゃいますし、橋梁点検などのインフラ点検で実証実験を開始している例もございます。ドローンを活用した新しいサービス、ソリューションを提供したいという構想や自社のアセット点検のおいて、ドローンを活用して低コスト化を図っていきたいという声をよく伺います。

投資家様のなかには、LP参画がDrone FundのみというLP企業様がいらっしゃいます。ドローン産業の中でもDrone Fundへ大きく期待していただいていることをとても実感しています。

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支援体制について聞きたい。特にドローンのような特化した技術については特殊なノウハウが必要に思う。どのような支援体制を提供するのか

大前:ドローンファンドのサポートの仕方は、「ハンズ・イフ」を大事にしています。投資先の企業が経営上の課題を抱えていた場合、ビジネスサポートやパートナー発掘など支援をしています。

リクエストがあれば対応する

千葉:はい。その一つが千葉道場になります。千葉道場合宿は、原則投資先企業のみ参加できるクローズドな合宿ですが、Drone Fundでは、今年の1月に投資先と投資家を集めたミートアップイベントを開催しました。千葉道場ドローン部ミートアップイベントでは、投資家と投資先がお互いのアイディアを出し合いビジネスを作っています。実際、すでに実証実験や具体的なサービス・ソリューションの開発を進めているところもあります。

具体的な支援の成果は

大前:エアロネクストと小橋工業が千葉道場ドローン部ミートアップイベントで提携が進みました。具体的には、エアロネクスト社製品の商品化・量産化を主にご支援頂いており、エアロネクストの「Next」シリーズの量産を年内に開始する見込みです。

ドローンならではの重要な支援ポイントがあれば教えて欲しい

千葉:ドローン産業はまだ新しくてどんなことが可能なのか、アイディアが重要になってきます。そのアイディアは、ドローンの企業が持ってるかもしれないし、LPが持ってる場合があるのでそのつなぐ役割も大事だと思っています。加えて、特にドローン企業では知財が大事にしている企業が多いので、Drone IP Labというファンド直轄企業を設立し、投資先の知財戦略をサポートしています。

最後に市場性について。ファンドを運営してこの市場の状況や課題をどう見ている

千葉:ドローン産業を世界全体で見ると法律が改定されたりと各エリアでビジネスがつくれていく土壌が整いつつあります。現在、様々なところで技術が発展し、プロダクトが開発されています。最大の課題は、顧客のニーズとプロダクトをどのように繋げていくかという点だと考えています。

PoC(Proof of Concept:実証実験)で成果がでても、実際に商用利用のために準備しなければならないことが多く、次のステップへの移行が難しい状況です。いかに顧客のニーズにあったプロダクトを作るのかというフェーズに入っていると思います。ドローンファンドでは、ビジネス支援を引き続き行って行きます。

ありがとうございました。

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