Amazon牙城崩しが始まる!GoogleがEC検索機能「グーグル・ショッピング」を強化へ

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ピックアップ: Attention, Amazon Shoppers: Google Wants Some of Your Spending Money

ニュースサマリー : 5月14日、Googleが自社検索エンジン、画像検索、YouTube動画ページから直接商品購入できるEC機能「グーグル・ショッピング」を拡充する旨を明かした。

従来は検索ワードに関連する簡易な購買導線しか表示されなかったが、これからは過去の検索履歴に基づいてオススメの商品を提案できるように改善する。

すでにクレジットカードや住所情報を登録しているユーザーはその場で商品を購入出来るようになる。小売事業者との仲介に入ることで、スムーズな購買体験と返品ポリシー及び顧客サービスを担保する業者としてEC事業に参入する意向だ。

話題のポイント : 今回のニュースを紐解くと、GoogleがAmazonがシェアを拡大し続けてきた小売検索領域へ参入してきたと言わざるを得ないでしょう。Amazonを意識しているのは明らかです。

取り上げたニューヨークタイムズの記事によると、2015年には商品検索の約54%がGoogle、46%がAmazon上で発生していると言います。しかち2018年までに数字は逆転し、現在はGoogleが劣勢になっているとのこと。

消費者が「何かを買いたい」と思い立ったらAmazonを使う導線ができてしまっている証拠です。こうしたAmazonの動きに対抗すべく、GoogleはECアプリ「Google Express」を立ち上げたこともありました。

筆者も利用したことがありますが、実態はお買い物代行サービス「Instacart」に酷似している印象。商品も即日購入出来る日用品しか並んでおらず、到底Amazonと同じレベルで戦えるものではないと記憶しています。

事実、GoogleはEC取引額やGoogle Expressの利用者数を財務報告書で明らかにしていません。このことから不発に終わったと想像できるでしょう。

こうした流れから再起を果たそうと登場したGoogleのEC機能強化の動き。押さえるべき点は「広告ビジネス」と「オムニチャネル戦略」の2点です。

1つ目の広告に関して。Amazonの財務報告書にある「その他」の事業セグメントは主に広告。過去1年で108億ドルの売上をもたらしており、GoogleやFacebookの広告事業と比べると非常に小さな額ですが成長事業に数えられています。

特徴は広告事業の業態。Amazonの広告は検索結果に基づいてユーザーに最適な商品を表示する「スポンサー広告製品」。検索ページに表示されるバナー広告より遥かに転換率が高く、より高い広告料金を請求できます。

リスティング広告を軸にしてきたGoogleが手を出さないでいた広告業態で、小規模ながら着実に成長をし続けてきたAmazon。今回このAmazonの業態をGoogleが真似たと言っても過言ではないでしょう。

とはいえAmazonとGoogleは全くプラットフォームの毛色が異なります。ユーザーの利用目的も異なるため、どの程度GoogleがEC検索を強化して収益を上げられるのかに注目が集まります。

さて2つ目はオムニチャネル戦略について。GoogleのEC機能強化によって、オンライン購買はAmazon含め両社の中枢事業になる運びになりました。

一方、オフラインではAmazon AlexaとGoogle Homeの音声アシスタントが身構えます。どちらも声をかけるだけでショッピングできる導線が確保されていますが展開戦略が全く違います。

Amazonは他社音声アプリが参入できるようなオープンプラットフォーム戦略を採用。GoogleはGoogle Mapに代表される自社アプリに特化できるクローズ戦略を採りました。

利便性が高く、あらゆる業者が参入しやすいAmazon Alexaシリーズが市場では優勢。オンラインとオフラインの両チャネルを抑えることで個客単位で最適な商品を、あらゆるシチェーション・タイミングで提案できることを意味します。

音響デバイスを通じたオフライン市場でも押し負けているGoogleですが、Amazonに対して勝機のある市場としてモバイル画像検索が挙げられます。

Googleはカメラのレンズ越しに見える物体をその場で検索購買できる導線を持っています。この購買導線をAmazonは「Snapchat」との提携でしか確保しきれていません。しかしコミュニケーションアプリであるSnapchatで購買が大量に発生するとは考えられず、Google Lens越しの自然な購買導線の方が優っていると予想できます。

しかしここでInstagramが競合として数えられます。レンズ越しの小売市場を抑えようと躍起になっている同社はGoogleとAmazon両社の画像検索市場参入を阻むでしょう。

こうして簡単に市場分析してみても、GoogleがEC機能強化をして生き残れるのはYouTube動画だけと言えそうです。

個人情報の取り扱いで逆風の強いGAFA。その中であえてユーザーデータを活用したEC事業に手を染めようとするGoogleがどこまで事業成長させられるのか興味深い点です。

ユーザーに直接的なメリットのない形でデータを活用される広告事業戦略は陰りが見えているのかもしれません。Facebookが新たに示した「プライバシー・ファースト」に倣って全く異なる戦略を描かない限りGoogleの将来も危うくなっている実態がうかがい知れます。

Image Credit: :DCarlos LunaRobert ScobleStock CatalogAaron Yoo

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