インフルエンサーが自分ブランドを作って売れるファッションD2Cを展開、「picki(ピッキー)」がシードラウンドで6,000万円を資金調達

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2019.5.22

picki のチームメンバーと今回参加した投資家の皆さん。前列中央が創業者で CEO の鈴木昭広氏。
Image credit: picki

<午前10時30分更新> 年商目標の表現に誤りがあったので修正。

ファッション D2C プラットフォーム「picki(ピッキー)」を運営する picki は22日、シードラウンドで6,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、サイバーエージェント・キャピタル(CAC)、Coral Capital、VOYAGE VENTURES、クリエイターエージェンシーのコルク。また今後、このラウンドに、一部、個人投資家が加わる可能性がある。

picki は、インフルエンサーなどがファッションブランドを立ち上げ、それを販売することができるプラットフォームだ。インフルエンサー自身は、デザイナーや縫製業者ではないので自ら洋服やファッションアイテムを作り出すことはできない。ただ、インフルエンサーが持つ世界観に共鳴し、彼らが出す商品にファンが集まるという事象は、ここ数年で顕著になってきている。

この辺りの流れは、パーソナライズヘアケアの「MEDULLA(メデュラ)」が4月に東京で開催したイベントでも、いくつかの事例が紹介されたのが記憶に新しい。従来型のファッション EC や通信販売とは一線を画した「パーソナライズ or カスタマイズされたサブスク」という形で、若年層の女性たちに急速に受け入れられつつある。

Image credit: picki

picki を設立した鈴木昭広氏は、高校の頃から韓国、中国、アメリカで過ごし、世界50カ国を旅したことのある異色の経歴の持ち主。鈴木氏の母親がファッションアパレルの OEM/オフショア生産工場を韓国で経営していたことに影響され、若いうちから自らビジネスをすることに全く抵抗は無かったようだ。picki の前身とも言える、ファッションブランド向け生産受託の Decoro を設立したのが2017年のことだ。

昨年から今年にかけて、佐藤涼美の「louren」や、藤田ななみの「calme」といったインスタグラマー/インフルエンサー発のファッションブランドが人気を集める中、鈴木氏は日本のモノ作りをエンタメ化し、世界観を持った人が誰でもクリエイターになれる環境を作りたいと考え、picki のアイデアにたどり着いた。

NewsPicks にみられるキュレーションの世界にも似ていて、あるインフルエンサーが集めた世界観に、ファンが集まるという流れは、ファッションの世界でも起きつつある。YouTuber が動画を作って稼げるように、インフルエンサーがブランドを作って稼げるようになる世界を作りたい。(鈴木氏)

picki を利用してファッションブランドを展開するインフルエンサー(一部)
Image credit: picki

確かに NewsPicks におけるプロピッカーは、自らニュースを作り出したり取材したりしているわけではないが、そのキュレーション力やコメント、ニュースを選ぶ人間性に惚れて、一定のクラスタのファンが集まる傾向を見せている。インフルエンサーが生み出すファッションブランドもまた、自らはデザインを生み出す存在ではないが、その世界観を共有したいファンが集まる事象は似ている。

ひところ前であれば、デザイナーやデザインをキュレーションするという役割はブランドが担い、そのまたブランドの集合を最適解でキュレーションしてくれるセレクトショップがあったわけだが、明らかに業界構造が変化してきている。picki の事業では、ブランドを司るインフルエンサーが世界観をファンに着実に共有していけるかが肝になる。今回、佐渡島庸平氏が率いるコルクが出資者に名を連ねているのも、背景にはそのような理由があるようだ。

picki では今後8月を目処に、サービスをフルに利用可能なアプリをローンチ予定。当面の目標として、年商1億円程度のブランドを100ほど取り扱えるようになりたい、としている。

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