外貨両替所はもういらない!取引・通貨両替手数料ゼロの「YouTrip」そのビジネスモデル

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ピックアップSingapore travel wallet YouTrip raises $25.5m in pre-series A round 

ニュースサマリー:シンガポールに本社を置く「YourTrip」は16日、プレシリーズAラウンドにて2550万ドルの資金調達を実施した。同ラウンドにはInsignia Ventures Partnersが参加している。

YourTripは取引手数料・通貨両替手数料なしに国際利用することができるオンラインの両替サービス。アプリに加え、マスターカードベースのプリペイドカードも利用できる。150カ国の通貨支払いに対応しており、合計10カ国の通貨を同時に保有することが可能だ。

同社によれば、2018年9月にローンチ以降20万ダウンロード以上を達成しており、また100万以上のトランザクションを記録しているという。

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話題のポイント:「両替所」の謎のレートは旅行者にとって最大のストレスだったかもしれません。また、旅行時に国内カードにて決済した場合もその場では分からないが、実際はかなり悪いレートで決済されていることも数多くあります。

YouTripによれば、銀行発行のカード・デビットカードを用いて国際ペイメントを実行した場合、最大で3.5%・クレジットカード決済の場合最大で5%の手数料がかかるとしています。

では、YouTripはどの様にマネタイズしているのか。同社サイトには「How do we make money?」というFAQがあり、店舗側からの手数料を受け取っています。このビジネスモデルは、以前ご紹介した「Chime」とほぼ一緒です。

<参考記事>

カードのユーザーを完全にフリーにして店舗側から手数料を受け取る。もちろん、ユーザーからしたらお得ですし利用しない理由はありません。ただ、こういった系統のスタートアップが増えることで店舗側はどういった反応を示すのかは気になるところです。

また、世界通貨が今後どう生まれてくるのか、といった視点でもこのムーブメントは見所があります。

例えば、世界通貨予備軍のビットコインは手数料の面において優れているという見方がありますが、YouTripやChimeのようなモデルが店舗側にも優遇措置を施すことができれば、現行の通貨でもメリットを提供できるようになります。つまり、通貨としてのBTCはそこまでの価値がなくなるかもしれません。

利用側と店舗側の手数料を無料にする、というアイデアに「性善説モデル」を取り入れた例があります。それが給与前払いサービスを提供する「Earnin」です。

<参考記事>

彼らは性善説に則ってユーザーのチップをマネタイズ戦略に据えていて、ユーザーからの最大14ドルまでの任意のチップが送れる仕組みを提供しています。手数料や利息などは発生しません。誰の負担にもならず、クラウドファンディング的感覚値において企業も資金繰りが出来るようになる、そんな世界観です。

どの手段がベストになるのか。そしてペイメントにおいても成り立つのか。これこそ国・地域ごとのバックグラウンドによって偏りそうですが、大きな改革という意味ではアメリカンなチップを通した世界観が広まると面白いことになるんじゃないでしょうか。

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