SaaS比較「BOXIL」やインサイドセールス支援「BALES」運営のスマートキャンプ、KDDIと資本業務提携——企業へSaaSワンストップ提供を強化

SHARE:
左から:中馬和彦氏(KDDI 経営戦略本部 ビジネスインキュベーション推進部部長)、吉川元規氏(KDDI ソリューション事業本部 ソリューション事業企画本部 事業企画部 企画2グループリーダー)、石井健太郎氏(KDDI ソリューション事業本部 ソリューション事業企画本部 事業企画部部長)、古橋智史氏(スマートキャンプ 代表取締役)、峰島侑也氏(スマートキャンプ 取締役 CFO)、林詩音氏(スマートキャンプ 取締役)、阿部慎平氏(スマートキャンプ 取締役 COO)
Image credit: Smarcamp

SaaS 比較サイトの「BOXIL(ボクシル)」、インサイドセールス支援の「BALES(ベイルズ)」などを運営するスマートキャンプは20日、KDDI(東証:9433)との業務提携を発表した。この提携にあたり、同社は KOIF 3号(KDDI Open Innovation Fund 3号)から資金を調達する。調達金額は明らかにしていない。

スマートキャンプは KDDI との業務提携を通じて、SaaS プロバイダの認知度向上、リード獲得、商談、受注、請求までを提供する SaaS プラットフォームを実現する。スマートキャンプでは企業ユーザを多く抱える KDDI とともに、スマートキャンプは SaaS 導入に必要なサービス全般を提供する考えだ。

アメリカには、複数のクラウドサービスを単一アカウントで渡り歩けるアカウント・インテグレーションの機能、請求書が無いと経費の処理ができない企業のために、クラウドサービスのサプライヤーに代わって請求代行したり、複数のクラウドサービスの料金請求をまとめたりする AppDirect のような業態が存在する。通信サービスのコモディティ化が進む中で、欧米のテレコム各社は顧客エンゲージメントを高めるために AppDirect と提携し中小企業向けに SaaS サービスの提供を進めている。スマートキャンプは日本版 AppDirect の姿を展望しているようだ。AppDirect は Peter Thiel 氏の Mithril Capital Management をはじめ複数 VC から、これまでに累積でおよそ2億4,600万米ドルを調達している。

Image credit: Smartcamp

スマートキャンプは2014年6月の設立。Incubate Camp 7th8th に参加する中で、以前のサービス「SKET」からピボットを図り、2015年5月に BOXIL が生まれた。運営開始から4年を経た2019年4月末現在でアクセス数は月間1,200万ページビュー以上、会員を10万人以上集め、月間3万件以上の潜在顧客誘導を行う SaaS ユーザと SaaS プロバイダのマッチングプラットフォームに成長した。

2017年9月には、SaaS プロバイダ向けにインサイドセールスをアウトソーシングできる「BALES」をローンチ。今年2月に北海道支社を設立し、100サービス超の SaaS プロバイダに商談創出を支援している。

スマートキャンプの現在の社員数は60名程度。今後は SaaS 周辺のみならず、リアル店舗向けの決済手段の提供など、業態拡大にも注力する考えだ。スマートキャンプ代表取締役の古橋智史氏は、SaaS はサービス一つで提供できるサービス内容が限定的であるため、KDDI との連携を通じ、さまざまな新しい SaaS を紹介していくことが、ユーザとなる企業と SaaS プロバイダの両者のメリットに資するだろうと語ってくれた。

スマートキャンプはこれまでに、2017年5月にシリーズ B ラウンドで3億円、2015年11月にシリーズ A ラウンドで1.5億円、2015年4月にシードラウンドで2,000万円を調達している。

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する