Alibaba(阿里巴巴)、Mail.ruとJVを設立しロシアでの事業展開を加速

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Image credit: Piotr Swat & Alexey Malkin / 123RF

Alibaba(阿里巴巴)の世界展開に向けた取り組みが6月5日、新たな段階を迎えた。同社発表によると、ロシアの大手パートナーと設立したジョイントベンチャーが、ロシア連邦反独占局(FAS)から承認されたのだ。2018年9月の設立計画発表から、約9ヶ月したことになる。

ロシアの政府系ファンド Russian Direct Investment Fund(RDIF)のほか、全国でデジタルサービスを展開する MegaFon(Мегафон)、同国のメディア・ITコングロマリットの Mail.ru Group が、新設された AliExpress Russia JV のパートナーとなる。この JV は、ロシアおよび近隣諸国の消費者向けインターネットとeコマース市場を事業領域とする。

複数のパートナーが関与することもあり、株式の交換や企業間の持株構造が複雑になった。RDIF の発表によると、Alibaba と RDIF はそれぞれ JV に1億米ドルを出資し、Mail.ru は1億8,200万米ドルを投じる。Alibaba の議決権比率は55.7%となる一方、新会社の過半数株式(50.1%)はロシア企業が保有する。

この JV は、Mail.ru Group の Pandao と、ロシアを拠点とし国内および越境事業を手がける Alibaba の AliExpress Russia という、既存のeコマース事業を土台として構築される。

ロシアは主たる目標とする市場ではなさそうだが、Alibaba の世界展開にとって、この国はますます重要になりつつある。同地域における市場規模の大きさやネット人口の増加に加え、地理的な利点があるからだ。

Mail.ru などの現地パートナーと提携することによって、Alibaba はパートナーがこれまでに築いたインフラを活用できるほか、ユーザベースやマーケティングチャネルといったリソースにアクセスすることが可能となる。

Alibaba Group の CEO Daniel Zhang(張勇)氏は声明の中で次のように述べた。

AliExpress Russia JV は、今回の提携によって単独では成し得なかった方法で、ロシアおよび CIS 諸国での消費者向けデジタル経済の発展を加速させることができます。私たちは、ソーシャルプラットフォームをコマースと組み合わせ、現地のブランドや中小企業が国内外で製品を販売できるようにすることで、ロシアと近隣諸国に革新的な購買体験を提供できる、ユニークな立ち位置にいるのです。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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