航空会社をモバイル決済でデジタル武装する「CellPoint Mobile」、1400万ドル調達でグローバル展開へ

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ピックアップ:CELLPOINT MOBILE ATTRACTS AN ADDITIONAL £11 MILLION IN FUNDING FOR GLOBAL EXPANSION AND PRODUCT INNOVATION

ニュースサマリー:米フロリダを拠点とする「CellPoint Mobile」は4日、1400万ドルの資金調達を実施したと発表した。シリーズ自体は公開されていない。リード投資家にはToscafandのPenta Capitalが参加した。

同社は2007年創業。主に、航空・海運会社やその他トラベルサービスプロバイダー向けにEコマースにおける電子決済ツールを提供。エアラインにおけるプロモーション、予約、チケット発行やモバイル決済への対応など包括的なサービス展開が特徴的だ。

既存クライアントにはエミレーツ航空、エチオピアン航空、サウスウエスト航空、ゴル航空(ブラジル航空)、Viva Air(ペルー航空)、ガルフエア等を抱えている。

話題のポイント:彼らのクライアントを見ると、主に南米と中東をターゲットにしていることが分かります。同社によれば、今回のファンディングを通してグローバル展開を進めていくとしています。

さて、では具体的にどういったサービスをエアライン企業向けに提供しているのか。同社HPに記載されている、ユースケース例を数社見ていこうと思います。

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まずは、ペルーの航空会社Viva Airとの取り組みについて。CellPoint Mobileは、Apple PayとGoogle Payによるモバイル決済システムの導入を同社に向け開始しています。これは、ラテンアメリカ航空会社の中では初の実践的取り組みであるとしています。同航空会社によれば、既に40%以上はモバイル端末より航空券の購入や諸手続きをしており、モバイル決済への対応でより顧客満足度にポジティブな影響を与えるとしています。

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続いては、同社とエチオピアン航空による取り組みについて。同社は、Alipayによるデジタル決済機能をプラットフォームに埋め込むことで、中国旅行者の利用を促進させるべく導入を実施。この背景には、中国におけるデジタル決済額が12.8兆ドルを超えた (2017年)ことが大きな要因であると同社は説明しています

プレスリリースでは、日本におけるAlipay受け入れ率の増加についても触れられており、それによると2016年から2017年にかけて2倍となる5万店舗を記録しており、インバウンド面におけるAlipay決済の受け入れ重要性を示唆しています。

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JAL

ちなみに日本航空では、既に2016年の段階でAlipay決済は受け入れられている状況でした。
今後日本国内においても、航空券を「○○Pay」で購入できるようになるかもしれません。

そういえば、CASHが先日発表した「モノ払い」でも、航空券が購入可能になっていました。モバイルを通した航空券購入までの流動性を上げるという意味ではコンセプトとして近いのかな、と感じます。

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