ハンドメイドC2Cの「Creema」運営、5回目のラウンドで総額11億円を調達——リアルストアを出店拡大、新サービス開発にも注力へ

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クリーマ経営陣と投資家の方々。前列中央が創業者で代表取締役の丸林耕太郎氏
Image credit: Creema

<12日14:30更新> 訂正線部を削除、赤字部を追加。

ハンドメイド商品の C2C マーケットプレイス「Creema(クリーマ)」を運営するクリーマは12日、通算で5回目となるラウンドで総額11億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、日本郵政キャピタル、SBI インベストメント、グローバル・ブレイン、三井不動産、アイ・マーキュリーキャピタルと、セプテーニ・ホールディングス創業者で名誉会長の七村守氏。既存株主である KDDI Open Innovation Fund(グローバル・ブレインと KDDI が共同運営)、SMBC ベンチャーキャピタルも参加している。

クリーマにとっては、2016年5月以来の調達で累積調達金額は約24億円となる。クリーマ代表取締役の丸林耕太郎氏は以前セプテーニ・ホールディングス傘下の企業で事業部長を務めていたことがあり、七村氏からの出資は、間接的にその繋がりが関係しているようだ。

クリーマはユーザ(販売者と購入者の双方)のエンゲージメントを高めるために、年間20回ほどのオフラインイベントを全国で開催、また、常設型の店舗を新宿・二子玉川・札幌で展開している。今回調達した資金を使って、常設型店舗を東京・日本橋と熊本にも開設するほか、ハンドメイド商品以外の新領域や新サービス開発に着手する。新領域や新サービスの内容については不明。

Creema STORE 札幌
Image credit: Creema

日本橋にオープンするクリーマのエディトリアルショップは、今秋オープンする「コレド室町テラス」内の、台湾から初上陸するライフスタイルストア「誠品生活(Eslite Spectrum)」内に開設される予定。Creema の人気クリエイター約40名による作品を入れ替わりで紹介されるコンセプトストアと位置付けられる。この出店について、コレド室町テラスのオーナーである三井不動産との協業の一環と捉えることもできる。

丸林氏によれば、当初から意識的にブランド戦略を練ったわけではないものの、結果として、Creema にはハンドメイドのプロフェッショナルや、プロフェッショナルを目指すクリエイターが集まるようになり、それが他のハンドメイドマーケットプレイスとの差別化に繋がっているという。趣味の領域を超えた商品が多いため商品単価も高めになるものの、そのような環境を求める販売者と購入者が集まる場になっているようだ。

2010年にサービスを開始した Creema は現在、約15万人のクリエイターが作ったオリジナルのハンドメイド商品700万点以上を取り扱っている。同社は台湾や香港へのサービス拡大も行なっており、今後、アジア最大のハンドメイドマーケットプレイスを目指すとしている。事業拡大に合わせ、現在60名(店舗アルバイトを合わせると80名85名)ほどいる社員についても、採用強化を図る計画だ。

Creema の従業員の皆さん
Image credit: Creema

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