中国の不動産デベロッパー大手Evergrande(恒大)、息を吹き返したEV業界に参入すべくイギリスのインホイールモーター企業Proteanを買収

by TechNode TechNode on 2019.6.12

5月30日、ロンドンで開かれた Evergrande(恒大)と Protean の調印式
Image credit: Evergrande

中国の不動産開発業者 Evergrande(恒大)は5月30日、イギリスのインホイールモーター企業 Protean を金額非公開で買収したことを発表した。今回の買収は、Evergrande が国内で盛り上がりつつある電気自動車(EV)業界で主導権を握るための活動の一環である。

Protean はイギリスに拠点を置く自動車関連技術企業である。同社はインホイールモーターのデザイン、開発、製造を行っており、アメリカと中国でも事業を展開している。インホイールモーター自動車は自動車業界でも最先端の技術とみなされている。従来の EV 車では、本来エンジンがある位置に単一のモーターを置いて駆動させているが、インホイールモーター自動車では各駆動輪のすぐ近くにそれぞれモーターを配置している。

インホイールモーター自動車はギアボックスやシフトレバーが不要になるため、燃費も向上し、操作性も良くなる。同社は12月、自社の ProteanDrive インホイールモーターシステムに関連して、世界中で150の特許を取得したことを発表した。これらの特許は、世界規模で展開する自動車メーカーや、一流の自動車部品メーカーに向けて大規模に使用権を付与していく方針だ。

Evergrande はインホイール電気モーター技術における支配をさらに強固なものにしようとしている。その一環として、新エネルギーを使った自動車業界で、フルバリューチェーンの戦略設計を強化していると同社の会長である Shi Shouming(時守明)氏は発表の中で語った

同社による Protean の買収は EV 業界への参入という直近の目標を後押しするものである。今回の買収の前の今年初めには、アメリカに拠点を置くEV関連スタートアップ Faraday Future(人才薈萃)の設立者で、不祥事で有名となっている中国人ビリオネア Jia Yueting(賈躍亭)氏と Evergrande の間で取引が物別れに終わっていたBloomberg の報道によると、不動産大手の Evergrande は世界最大の EV メーカーになるべく、今後3年以内に100万台の生産能力を整えることを目指しているという。

同社は今年初め、Saab Automobile の親会社である National Electric Vehicle Sweden AB(NEVS)の株式を51%(9億3,000万米ドル相当)取得している。この10日後には、中国の EV バッテリー企業 CENAT(卡耐)に10億6,000万人民元(約166億円)を投資している。また同時に、広州市の南部に登記資本金20億米ドルの EV 関連企業を新たに設立している

中国国内の EV メーカーは、多額の損失や成長の失速、Tesla の中国市場への進出などに苦しんでいる。EVメーカー Nio(蔚来)は5月29日、第1四半期の収益が50%の連続的な下落になることを発表した。これを受けて同社の株価は30日、10%以上下落し、市場が閉じた時点で3.24米ドルとなった。

中国には 500もの EV 関連製造業者が拠点を置いており、市場シェア獲得に向けて争っている。Xpeng Motors(小鵬)や VM Motors、CHJ Automotive(車和家)など、大半の業者は大量生産の安定化や資金不足といった課題を抱えているため、自動車の販売にはこぎつけていない。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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