
EU が発表したデジタル社会に関する年次報告書によると、フィンランドが EU 加盟国の中でトップとなった。モバイルブロードバンド接続率、デジタル技能、e ガバメントの取り組みが高得点だった。
6月11日に発表された EU の「デジタル経済社会指数(DESI)」をみると、概ね北欧諸国が上位を占めている。スウェーデン、オランダ、デンマーク、イギリスがフィンランドに続いている。
この指数では、ブロードバンド接続、人的資源、インターネット利用、公的サービスのデジタル化、リサーチなどの要因を測定して順位付けしている。報告書によると、ヨーロッパ大陸では概ね、デジタル変革の目標達成に向けて順調に進捗していることが示された。
だが報告書の執筆者は、野心的な目標があるにも関わらず、「EU の経済大国がデジタルの先駆者ではない」と話している。
実際、GDP の規模ではドイツ、フランス、イタリアがそれぞれ第1位、3位、4位であるが、DESI のランキングでドイツとフランスは中位にある。フランスは28か国中15位。ドイツは11位だった。イタリアに至っては、下から5か国目だった。
デジタル経済・社会担当ヨーロッパ委員の Mariya Gabriel 氏は声明で次のように述べた。
今年のデジタル経済社会指数をみると、EU が世界規模で競争力を維持するにはデジタル変革を加速させなくてはならないことが分かります。成功を収めるには、デジタル経済の取込みに向け引き続き協力していくほか、本当の意味で繁栄し、よりデジタルなヨーロッパを構築するために、全ての EU 市民がデジタル技能にスムーズにアクセスできるようにしなくてはなりません。


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では、フィンランドは実際、何をしているのか。報告書によると、フィンランドは固定ブロードバンドの利用は低位だが、モバイルブロードバンドの利用が EU 平均のほぼ倍であるなど、際立って高かった。
また、人的資本で見ても、人口の76%が基本的もしくはそれ以上のデジタル技能を有しており、EU 平均の57%を大きく上回っている。
また、オープンデータやデジタルヘルスケアサービスの利用が進んでいるため、公共サービスのデジタル化でも加盟国中第1位だった。
その他、テック系スタートアップエコシステムが堅固であることもあって、フィンランドはこの種のランキングで初めてトップとなった。数年前の Nokia 崩壊から回復してきたことを思えば、今回のランキングは印象に残る偉業だといえる。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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